大学物理

初学者向けに大学力学の教科書を東大修士卒が紹介

ども、ぽこラボ所長です!

今回は、大学1年生、2年生などの初学者向けに力学の教科書を比較しながら詳解します。

私自身は東大の物理で学士と修士を持っているので、研究者になるような人が読んでいるガチの本も知ってますが、

同時に塾講師でもあるので、大学1年生の学力も加味しておすすめの本をここでは詳解します。

詳解するにあたって、ここで挙げる本はほとんど通読したので、

  • 通読にどれくらい時間がかかるのか
  • 解説の丁寧さはどうか
  • そのほかの特徴はあるか

など詳しく解説しますね!

大学物理の力学初学者におすすめの教科書

この記事で詳解する教科書は以下の7冊です。

「基幹講座物理学 力学」篠本滋、坂口英継

通読にかかる時間 ★★★(17時間51分)
解説の丁寧さ ★★★★
特徴 扱っている題材が多い。

まずは「基幹講座物理学 力学」篠本滋、坂口英継です。

これは比較的新しい教科書になっていまして、今回紹介する教科書の中では最もレイアウト的には読みやすくなっています。

通読は18時間くらいかかりましたが(力学は「履修した」ので初学者は倍くらいかかるかも)、全体的に重い印象はありませんでした。

解説は全体的にかなり丁寧ですが、扱っている題材が多い分、スピーディに進む印象はあって、その点は初学者には少し辛く感じるかもしれません。

とはいえ、章末問題もしっかり解説はついているので、何とかついていけるかなと思います。

他の本でそれほど扱われていない内容で言うと、

  • パラメトリック振動
  • 散乱断面積
  • 変分法
  • 回転+衝突

などは詳しく解説されていて良かったかなといったところです。

「力学I(新装版)-質点・剛体の力学」原島鮮

通読にかかる時間 ★★★★(20時間02分)
解説の丁寧さ ★★~★★★
特徴 硬派。

かなり古い本のリニューアルバージョンなので、他の本と比べても硬派な印象を持つ教科書です。

「the 大学物理」といった感じで、1章から変換性などの話が出てくるので数学が嫌いな人は、初学者は1章でくじけるかもしれません。

初学者には、若干ベクトル解析的な解説が少なく感じる人は多いかもしれないです。

また章末問題の解説がうすいので、私が通読したときも、そこでかなり時間を食う感じになりました。

もしかしたら初学者だともっと時間がかかるかもしれません。

散乱断面積の問題はこちらでも扱っていますし、それに関してはこちらの方が分かりやすかった印象です。

また、後半の方に出てくるコマの解説は、個人的には本書が1番わかりやすく感じました。

「物理学序論としての力学」藤原邦男

通読にかかる時間 ★★★★(20時間07分)
解説の丁寧さ ★★★
特徴 執筆者の気合いがすごい。実験に興味がある人にはおすすめ。

こちらも比較的古めの教科書なので、若干レイアウト的に読みにくさはあります。

書籍名の通り、「物理学序論としての」解説が盛りだくさんです。

特に科学史的な解説はかなり詳しく書いてくれているので、かなり読むのは楽しく感じられました。

逆に言えば、そういったことに興味のない人には最初辛く感じるかもしれません。(学部時代の私はちょっと辛くてくじけた記憶があります。)

本書の執筆にあたって、著者が自ら実験を行ったデータなどもふんだんに盛り込まれていて、物理の理解がこういう風に進むんだなあ、ということがよく分かる本になっています。

今回紹介する教科書の中では、玄人にもしっかり学ぶところがある教科書という意味で2冊目以降でもいいので、ぜひ読んでほしい1冊です。

ちなみに、「鎖とか紐とかの力学」は意外と他の教科書ではあまり見かけない例になっています。

「力学キャンパス・ゼミ 改訂6」馬場敬之

通読にかかる時間 ★★(10時間27分)
解説の丁寧さ ★★★★
特徴 最低限以外のことはガッツリ捨てた本。

こちらはマセマシリーズとして、高校数学などの参考書シリーズとしても有名な著者が書いた本です。

大学受験でマセマシリーズにお世話になった人もいるのではないでしょうか。

「最低限のものだけ残して、ガッツリ他は捨てた」みたいな本で、マセマシリーズらしいですね。

単位を取るだけならこれで勉強してレポートなどだけ真面目に取り組んでおけば十分かと思います。

個人的には若干フォントが物理の解説に適さないフォントになっていて、そこだけ不満が残ります。

「ゼロからの力学I」「ゼロからの力学II」和達三樹

通読にかかる時間 ★★★(??)
解説の丁寧さ ★★★★★
特徴 初学者に1番おすすめ。

私が大学1年生のときに教科書に指定されていた本で、何度か読んだことがあるので、今回の記事の執筆にあたって通読はしませんでしたが、それほど重い本ではないと思います。

ベクトル解析や微分方程式など、数学的には1番解説が易しくて手厚いので、個人的には初学者に1番おすすめなのはこの本です。

章末問題もしっかり解説があるので読みやすいとは思いますね。

かなり丁寧なのですが、その分、2分冊になってる割には若干扱ってる題材は少な目にはなってます。

「詳解力学演習」後藤憲一、山本邦夫、神吉健

通読にかかる時間
解説の丁寧さ ★★★
特徴 扱っている題材が多い。(多すぎる。)

こちらは演習書になってます。

高校数学のチャート的な感じで、レイアウト的には、チャートをギュッと詰めて読みにくくした感じです。

大抵なんでも載ってますが、無限と思える時間が必要になるので、私は通読していません。

  • 荷電粒子の運動
  • 解析力学
  • 相対論的力学

なども取り扱っているので、大学生のうちはずっと使えるはずです。

大学院生のときに、TAとしてレポートの採点もやりましたが

「これに載ってる問題なんだから調べてからレポート問題解けばいいのに」

って思ったことが何度かあります。

問題演習で困ったときに助けてくれる本です。

「演習詳解力学」江沢洋、中村孔一、山本義隆

通読にかかる時間
解説の丁寧さ ★★★
特徴 扱っている題材が多い。(多すぎる。)

こちらも立ち位置としては演習書ですが、こちらの方がやや通読向けにはなっています。

ただ、昔はもう少し見やすいレイアウトだったものが文庫版になって読みにくくなったので、そこはおすすめしにくい点ではありますね。

※文庫版の限界まで読みやすくはしてくれていますが。

この本もかなり時間がないと通読できないですし、実際、ここまでやる必要がある人はいないのでは?といった感じです。

趣味として読み進めるのは悪くないですが、けっこう前半の方から数学的に難しいので、初学者には絶対に読めないと思います。

教科書としては安いので、買っておいて「いつか読んでやる」みたいなのは有りかもしれません。

個人的な大学力学教科書おすすめ3選

最後に初学者向けに、今回紹介した本のランキングを3位までまとめておきます。

あくまでも初学者が持っておいて損しないという意味でのランキングになるので、注意してください。

1位 「ゼロからの力学I」 「ゼロからの力学II」和達三樹
2位 「詳解力学演習」後藤憲一、山本邦夫、神吉健
3位 「物理学序論としての力学」藤原邦男

教科書としては、「ゼロからの力学I」「ゼロからの力学II」が1番初心者に易しい作りになっていると思います。

これで理解できないようなら高校数学を勉強し直した方がいいでしょう。

演習書の「詳解力学演習」を持っておけば、大学の課題などを解くときに必ず役に立つはずです。

「物理学序論としての力学」は2冊目の教科書として読んでもらいたいです。

大学1年生2年生くらいだと通読するのは辛いかもしれませんが、物理がどういうものかしっかり理解できるはずです。

まとめ

今回は大学力学の教科書を初学者向けに紹介しました。

一覧とAmazonのリンクを載せておくので、Amazonの書評なども参考にしてみてください。

それではまた、所長でした!

社会人の大学入試完全攻略ガイド

東大出身、個別指導歴10年以上
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