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大学物理

大学熱力学|初学者におすすめの教科書8冊を東大修士卒が紹介

大学物理熱力学

ども、ぽこラボ所長です!

大学で指定された熱力学の教科書が難しすぎる
独学でも勉強できる熱力学の教科書ってあるのかな?

こんな悩みをお持ちではありませんか?

この記事を読めば初学者におすすめの大学レベルの熱力学の教科書が分かります。

ぽこラボ所長
ぽこラボ所長
私自身は東大の理学(物理)で学士と修士を持っているので、研究者になるような人が読んでいるガチの本も知ってますが、同時に塾講師でもあるので、「一般的な」大学1年生の学力も考慮しておすすめの本をここでは紹介します。

紹介するにあたって、ここで挙げる本はほとんど通読したので、

  • 通読にどれくらい時間がかかるのか
  • 解説の丁寧さはどうか
  • そのほかの特徴はあるか

など詳しく解説しますね!

読み終えたら「この本で勉強してみようかな?」とモチベーションが少し高まっているはずですよ!

大学物理の力学初学者におすすめの教科書

この記事で紹介する教科書は以下の8冊です。

それぞれについて補足コメントしていきますね!

「ゼロからの熱力学と統計力学」(前半部分)和達三樹、十河清、出口哲生

通読にかかる時間 ★(5時間28分)
解説の丁寧さ ★★~★★★
特徴 短時間で基本的なことをザっと習得できる。

まずは「ゼロからの熱力学と統計力学」和達三樹、十河清、出口哲生著です。

こちらは力学で紹介した「ゼロから」シリーズの熱力学、統計力学バージョンです。

熱力学の部分だけにかかった時間は5時間半。

完全に初学者の方だともう少し時間がかかるかもしれませんが、短時間で基本的な部分に絞って勉強するのであれば、使いやすい教科書といえるでしょう。

個人的には、薄い分、具体的な例は少なく数式の持つイメージは湧きにくいのではないかなと思いました。

「熱力学入門」佐々真一

通読にかかる時間 ★★(10時間31分)
解説の丁寧さ ★★~★★★★
特徴 疑問の残らない細かい解説。ただし演習問題の解説はない。

こちらも比較的薄い本で、熱力学の基本的な部分をかなりしっかり説明している教科書になります。

疑問の残る所のない解説になっているので、本筋を理解するにはかなりおすすめできます。

大事な部分を丁寧に説明しているので、薄い割には読むのに時間がかかります。

ただし、演習問題部分の解説はついていないので、独学で勉強するのは初学者には少し辛いかもしれません。

おそらく初学者の人が演習問題を全て真面目に解ききると、この倍くらいの時間はかかってしまうはずです。

質問できる環境で利用するのがいいでしょう。

「熱力学 (講談社基礎物理学シリーズ)」菊川芳夫

通読にかかる時間 ★★(11時間52分)
解説の丁寧さ ★★~★★★
特徴 例の紹介が豊富でイメージしやすい。

こちらは初学者にやさしい講談社の基礎物理学シリーズの中の1冊で、個人的には熱力学を学ぶ物理学部の大学1年生には1番おすすめできる教科書になります。

厳密な部分でいえば、他の教科書の方が解説が詳しいことも多いですが、理想気体ではない作業物質の例が豊富で、説明されている式の使い方がイメージしやすいはずです。

演習問題の解説もしっかりついているので、比較的短時間で全体を読み切れてしまうのもいいですね。

「見える! 使える! 化学熱力学入門 」由井宏治

通読にかかる時間 ★★(7時間59分)
解説の丁寧さ ★★
特徴 化学の応用例がかなり具体的に分かる本。

この本は熱力学というよりは化学熱力学の本ではあります。

ただし熱力学を学ぶ学生にとってもかなりおすすめできる教科書です。

特に化学への応用例(具体例)が豊富で、式の使われ方がかなり具体的に分かるので、公式も暗記しやすいのではないかと思います。

理論的な部分の細かい説明は、それほど丁寧ではありませんが、理論よりも実験の方に進みたい学生には1冊目としておすすめしたいですね。

個人的にフォントはあまり好きではないのですが、読めないほど気になるものではありません。

「熱力学ー現代的な視点から」田崎晴明

通読にかかる時間 ★★★(24時間26分)
解説の丁寧さ ★★★★
特徴 丁寧であるが故に難しい。

こちらはかなり人気のある本で、熱力学と言えば、この本(田崎)かあるいは次におすすめする本(清水)と言われるくらいの本になっています。

田崎の熱力学は、できるだけ厳密に熱力学を丁寧に説明しながら理解させる意志が伝わる本です。

正直、塾講師をしている人間としては、多くの大学1年生には辛いレベルの本で初学者にはおすすめできません。

しかし、物理を勉強するのであれば、この田崎熱力学と次の清水熱力学は絶対に通ってほしい本になっています。

どちらかと言うと、田崎熱力学の方が初学者に易しいという意味で教育的だとは思うので、数学と物理に自信がある人は、1冊目に手に取ってみてもいいかもしれません。

多くの人にとっては2冊目としておすすめです。

「熱力学の基礎I:熱力学の基本構造」「熱力学の基礎II:安定性・相転移・化学熱力学・重力場や量子論」清水明

通読にかかる時間 ★★★★(33時間04分)
解説の丁寧さ ★★★★★
特徴 難しいけど、何度も読みたくなる。一番定着する。

清水の熱力学と言えば、物理学を学んでいる人なら誰にでも通じる本です。

今回紹介する本の中では最も難しいですが、熱力学が最も分かる本ですね。

難しいので、正直通しで読むのにかなり時間はかかりますし、ある程度数学ができる人でないと読み切れないとは思いますが、熱力学が1番整理されている状態で学ぶことができて、読んだ後に1番知識として残るような説明になっています。

こちらも1冊目にはおすすめしませんが、2冊目3冊目としてはかなりおすすめできる本ですし、物理の勉強を続ける(or研究する)のであれば、必ず1度は読んでおいてほしい本です。

「大学演習 熱学・統計力学」久保亮五

通読にかかる時間
解説の丁寧さ ★★★
特徴 扱っている題材が多い。(多すぎる。)

こちらは立ち位置としては演習書です。

無限に思える問題が載っているので、正直今の学生が通読できるかというと、そんな時間がない方の方が多いかなとは思います。

レポートを提出するときや、他の教科書を読んでいて演習問題で詰まってしまったときに辞書的に使うのがいいかなと思います。

熱力学のTAはやったことはないですけど、確実に教員の方もこちらの本を参考に演習問題を出すので、ぜひ持っておいてください。

個人的な大学力学教科書おすすめ3選

最後に初学者向けに、今回紹介した本のランキングを3位までまとめておきます。

あくまでも初学者が持っておいて損しないという意味でのランキングになるので、注意してください。

1位 熱力学 (講談社基礎物理学シリーズ)」菊川芳夫
2位 熱力学ー現代的な視点から」田崎晴明
3位 大学演習 熱学・統計力学」久保亮五

教科書としては、「熱力学 (講談社基礎物理学シリーズ)」が1番初心者に易しい作りになっていると思います。

これで理解できないようなら高校数学を勉強し直した方がいいでしょう。

もっと論理的に熱力学を勉強したいのであれば、「熱力学ー現代的な視点から」田崎晴明にも挑戦するのがおすすめです。

本当は清水の熱力学も読んでほしい所ですが、少し難しいので初学者向けの3位からは外しました。

演習書の「大学演習 熱学・統計力学」を持っておけば、大学の課題などを解くときに必ず役に立つはずです。

まとめ

今回は大学熱力学の教科書を初学者向けに紹介しました。

一覧とAmazonのリンクを載せておくので、Amazonの書評なども参考にしてみてください。

それではまた、所長でした!

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