こちらは【教え方の教科書】の中の1記事になっています。
今回は計画立ての方針について詳しく説明しています。
計画立ての事前準備としては、こちらの記事をお読みいただけるとほとんどのことはご理解いただけると思いますので、準備をしたうえで実際に勉強の計画を立てていく際にベテラン講師がどのようなことを意識しているのかについて勉強していただければと思います。
【大学受験】年間計画の立て方
年間計画に関しては基本は逆算で考えます。そのためには事前の下調べが必要です。
- 生徒さんの現在のレベルを把握すること
- 志望校の各過去問の出題傾向
- 残り勉強期間
これらの情報をもとに準備をしていきます。おそらくこれらについて詳しく説明はしなくても問題はないかと思います。
少し詳しく知りたいという方は以下の記事をご覧ください。
例えば生徒さんの志望校が国公立の大学だと、私は次のように考えていきます。
- 共通テスト以後は過去問演習がメインで、
- 12月に入ったら丸々共通テスト対策で、
- そのためには11月末までに〜〜を終わらせておいて、
- そのためには夏休みには〜〜をしたいから、
- ってことは夏休み前には一通り習い終わっている必要があるから
- 5月くらいからは毎週〜~くらいずつ予習を進めていく必要があって
- 結果として今の時期だと大体毎日〜~時間程度は勉強しないといけないな、、、
このように生徒さんの志望校から逆算して、合格するためにはどう組み立てるべきか、受験日当日から順に考えていきます。
月ごとにどういった参考書をこなしておけばいいかを最初の段階でまとめておきましょう。最悪の場合、生徒さんがどこか途中のタイミングから独学で進めていかなければならないといったことも起こり得るので、それでもどうにかなるレベルで組み立てておくのがいいでしょう。
また生徒さんと保護者の方の両方に説明できるように見やすい表などになっていると良いですね。
このとき計画は必ず下方修正されることを見込んで、一番安全に合格できるだけのマージンを取っておきましょう。ちなみに下方修正される原因については以下のようなものがあります。
- 部活のハードさが時期によって波がある
- 学校行事が思ったより忙しい
- 家庭の急な用事
- 急な体調不良や入院、事故
その他にも様々ありますが、よくあるのはこのあたりでしょう。もちろんこれに加えてモチベーションが急に下がって勉強量自体が減ってしまうことも割と起こることですから、それも織り込んで、下方修正幅を準備しておくといいですね。
下方修正の余白分に関しては生徒さんに伝える必要はありません。それで余裕を持ってしまっても仕方ありませんからね。
週間計画の方針
年間計画さえ完成すれば週間計画はそれを平日と休日を意識しつつ落とし込むだけです。
- 勉強時間は徐々に増やす
- 各教材ごとに時間設定をしておく
- 行事や模試の日程を埋め込む
- 祝日を考慮する
最初からハードにし過ぎると一気にモチベーションを失いますから、徐々に勉強時間は増やしていくようにしましょう。
最終的なゴールは1日の勉強時間を14時間くらいまで持っていくことです。最低でも12時間です。学校のある日は学校で6時間、自習で6時間のような形ですね。
12時間程度の勉強では合格できない方もそれなりにいらっしゃいますが、とはいえ、まずは勉強時間を確保しないとどの大学まで合格できるかという話さえ詰めることができませんから、内容よりも最初は勉強時間です。
勉強量が増えてきてから内容の細かい所をチューニングしていく形になります。
また週間計画に関してですが、各教材ごとに勉強時間を設定しておくのが良いでしょう。
進む量で指定する方も多いとは思いますが、必ず時間も設定することがおすすめです。
1週間で何ページのような決め方だと、遅れてしまった場合、他の科目に手をつけないみたいなことが頻繁に起こり得ます。
ページ設定や問題数での設定をするのであれば、同時にそれに使っていい時間も決めておきましょう。そうすれば毎回テストのように進めることができますし、制限時間がある方が人間は集中できます。
週間計画には、学校行事や模試の日程も盛り込まなければなりません。その日は勉強時間は必然的に短くなりますし、これを忘れていると、計画が崩れてそれをどう修正したらいいのか、ということを考える無駄な時間が生まれてしまいます。
計画について考えるような無駄な時間を使わせずに、勉強を進めることだけに集中できるように準備してあげないと個別で指導している意味はないですから、細かく設定して、勉強時間は最大限に生かせるようにしましょう。
もちろん、逆に祝日は勉強時間が増えるわけですから、それも盛り込んで少しでも勉強時間を増やしてあげましょう。
時間割を作る
「次に何をやろうかな?」と考える時間さえ無駄と考えて、課題を進めていく順番まで週間計画には盛り込むべきです。
どの順番で進めるのが良いのか自分の力で判断できる方はそもそも計画くらいは自分で立てて自分で上手くサイクルを回していくことができますから、それが出来ていないのであれば、順番まで決めてしまいましょう。
また学校から帰った時間から始めて、夕食の時間まで盛り込んで時間割を作ってしまう方が上手くいきます。
休日なら起きる時間やら昼ごはんの時間まで決めて勉強計画を立てましょう。学校では勉強しているのに、家では勉強していないというような状態なのであれば少しでも学校の仕組みに近づけておいた方が成功の可能性は高いです。
計画に言い訳の余地を作らないこと
最後に最も重要なこととしては、計画に言い訳の余地を作らないことです。
計画の書き方が雑だと計画を見ても何をやっていいか分からなかったという言い訳が出来てしまいます。高校受験のモチベーションが低い中学生によく起こる現象です。
大学受験生でそのような事態に陥ることは少ないですが、想定していたよりも楽な方法としても読み取れるような書き方をしていると人間は楽したがる生き物ですから、簡単に楽な方へと流れてしまいます。
そのようなことが起こらないように分かりやすく、言い訳の余地がない計画を作りましょう。
まとめ(計画立ての方針)
今回は計画作りの方針を一通りまとめました。
こちらの記事を参考に生徒さんのためになる計画をぜひ作ってあげてください。
- 年間計画は逆算して、下方修正する分の余白を作っておく
- 週間計画は時間設定をし、様々な行事も盛り込む
- 時間割を作成した方がうまく行くことが多い
- 言い訳の余地を作らない
以下の記事に続きもまとめてありますので、ぜひ他の記事もご覧ください。