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その他

【教え方の教科書】初回授業準備 問診票と下準備

こちらは【教え方の教科書】の中の1記事になっています。

今回は初回授業準備について詳しく説明しています。

教え方のいわゆるテクニック的な所は時間をかけないと身に付かないものですから、新人講師の皆さんの即戦力となるのはむしろ授業外の準備の時間です。

新人講師の皆さんのほとんどは授業内容、すなわち「今日は数学の連立方程式をどう教えるか」とか、「次回は仮定法をどのように教えるか」という非常に細かい部分にこだわりすぎる傾向があります。

もちろん順序立てて、理路整然と、時には敢えての遠回りも入れつつ、という授業内容のルートをしっかり構築することは重要です。しかし、ベテランの講師からするとそれよりももっと大事な所はあります。まずは準備段階で差がついているということをこの記事で学んでいただければと思います。

目次

授業前に把握しておきたい内容(問診票)

そもそも授業内容を組み立てるときに生徒のことをしっかり把握しているのかどうかは非常に重要です。具体的に私が生徒のことを把握するために質問している内容をまとめておきました。問診票のようなものと思っていただけるとよろしいかと思います。

授業前に把握すべき生徒さんの情報一覧
  • 現在の学年、通っている高校の偏差値、学年順位
  • 直近の模試の成績(どの模試を受けたのかも含めて)
  • 直近の学校のテストの成績と通っている高校の進学実績
  • 志望校の偏差値、必要科目、過去問の形式、受験の形式
  • 滑り止めについて考えていることはあるか
  • 普段の学校or塾・予備校の宿題の量と達成率
  • 部活や習い事など定期的に行っていること
  • ゲーム、ショッピングなど不定期的にだけど頻繁に行っていること
  • 高校受験や中学受験で最大どれくらい勉強していたのか
  • 各曜日最大でどれくらい勉強に時間を取ることができるか
  • 家以外の勉強場所の有無
  • 数3、理科社会の進度
  • 現在持っているあるいは使っている教材とその進捗度合い

また保護者の方には以下の内容を確認することもあります。

授業前に把握すべき保護者さまの情報
  • 最低でどれくらいのレベルの大学を希望するか
  • 滑り止めで私立大になった場合、もしくは浪人する場合の費用の計算はできているか
  • 奨学金について調べているか
  • 保護者の方の大学経験の有無
  • 教材などを含め、教育費として出せる額は決まっているか

保護者の方への質問に関しては、「失礼のない範囲で」というのが前提になりますから、必ず知っておきたいというわけではなく、「知っておけば楽になる」という基準で見ておくといいですね。

この一覧だけあってもピンと来ない内容もあると思いますので、ちょっと長くなりますが、それぞれの項目について解説をしておきましょう。

各項目の説明(生徒さんの情報)

現在の学年、通っている高校の偏差値、学年順位

このあたりは、新人の方でもかなりの割合の方が初回授業前に把握していらっしゃるでしょう。高校の偏差値と学年順位から大体どれくらいの内容が今現在、生徒さんの頭に入っているのか予想することができます。

特に数学、英語なんかは高校のレベルによって採用している教材のレベルが大きく変わります。赤チャートを採用している高校もあれば白チャートを採用している高校もあるわけです。

高校の偏差値を言われてもピンと来ないという最近都会に出てきた大学1年生の場合は(私もそうでした)、ご自身の出身地の高校の偏差値と比べてみましょう。そうすると「あの高校で大体真ん中くらいの順位ということは、、、」と想像しやすくなるはずですから、一つの目安にしてみてください。

もし講師の方が超進学校出身で、生徒の方が偏差値50を切るような高校だった場合にはそれでも全くイメージが沸かないということもあると思います。そういった時には後述の進学実績や学校のテストの中身からある程度推測できるようになる必要も出てきます。

直近の模試の成績(どの模試を受けたのかも含めて)

模試の成績は生徒の実力を判断するには最も適した素材です。さすがに講師をしている方なら新人の方でも進研模試の偏差値と駿台模試の偏差値には大きな隔たりがあることくらいはご存知だとは思いますが、どの模試でどれくらいの偏差値なのかを把握しておきましょう。

また共通テスト形式の模試なのか、記述の模試なのかも重要です。

特に共通テスト形式の模試に関しては、2020年現在、難易度のばらつきが模試ごとに大きいようです。こっちの模試ではできたけど、こっちの模試では全然出来なかったという例をよく見かけますから少し注意が必要でしょう。一つの模試の結果だけを鵜呑みにはしない方がいいですね。

出来ればどの分野が解けていて、どの分野が解けていないのかということも把握してほしいです。ほとんどの場合は満遍なく出来ていない、というパターンだと思いますが、数学なんかではときどき「この分野はできるんだ」という驚きの結果を出してくる生徒さんもいらっしゃいます。後で解説しますが、褒めるポイントはいくら合っても不足しませんから、そういった意味でも重要です。

解けていなかった分野はどこかをハッキリさせることで「どこから分からなくなったのか」が具体的に分かる場合がありますから、そのポイントを見極めることは事前準備の中でも最も重要なことの一つです。

出来なさすぎたり、出来すぎたりしている場合には模試だけでは判断できません。国立の医学部を狙っている生徒さんにとって進研模試は簡単すぎたり、中学生レベルからつまずいている生徒さんにとっては、どの模試でも難しすぎて太刀打ちできないでしょう。そういった時には学校のテストも判断材料として扱う必要が出てきます。

直近の学校のテストの成績と通っている高校の進学実績

直近の学校のテストの成績は模試の成績と合わせることで、どれだけコツコツと勉強するタイプなのか分かります。模試の成績が悪くても学校のテストはできる生徒さんは適切な課題を設定し続ければ伸びやすい傾向にあります。

また、その成績と進学実績を見比べれば、現状のまま受験期を迎えると大体これくらいの偏差値の大学に収まるということが見えてきます。

特に進学実績はあまり意識されていない新人講師が非常に多いので、必ず確認するようにしましょう。

進学実績を見ると、そこそこ高いレベルの大学に合格している生徒さんはいるけれども、そのほとんどが推薦という場合もありますから、そこにも注意してみておいてください。こういった例は学校行事に力を入れている高校に多いですし、そういった高校から浪人することなく一般受験で大学に合格するのはかなり苦労するということも多いです。

さらに、テストの中身も確認しておきましょう。問題のレベルから大体普段からこれくらいの内容を教えているのだろうなというイメージが沸きます。進学実績で数年に一人しか出ないような大学が目標の生徒さんにとってその学校の授業だけでは基本的には不十分です。その上で、現状の成績を見て具体的に合格のために必要な学習内容を決定していくのがベテラン講師です。

志望校の偏差値、必要科目、過去問の形式、受験の形式

目標となる志望校が決まっている場合には、かなり丁寧に過去問なども確認しておきましょう。

例えば英語であれば、何分で何語くらいの長文を読む必要がありそうか、英作文はどれくらいの長さのものが書ければ良さそうか、文法の問題は出るか、必要な語彙力はどれくらいか、リスニングの対策の必要はあるか、などなど過去問1つとっても様々なことを確認する必要があります。

さらに近年では民間の外部試験の成績を利用する大学も増えてきていますので、民間試験が必要か不要かも調べなければなりません

また、それだけでなく生徒の得意不得意に応じて各科目の何点ずつとれば合格最低点に到達することができるのかを計算しなければなりません。こういったことが調べられていないと計画の立てようがありませんから、最低限、講師自身が調べましょう。

東進が運用している過去問データベースを見ると、最近の傾向を調べる分には十分な数の過去問が置いてあることがほとんどですから、そちらを参考になさってください。

また旺文社が運営しているパスナビでも同様に調べられます。片方のサイトにしか過去問が掲載されていない場合もありますから、両方登録して(無料です)、どちらも確認できるようにしておきましょう。1番最近の過去問に関しては、大学のHPを確認しないと掲載されていないことも多いので、それも忘れないようにしましょう。

ちなみに保護者の方や生徒さんが丁寧に調べていることもときどきありますが、それでも講師側が実感を持って把握できていないと意味がありませんから、相手が提示してくださった情報に満足せず自分で調べることが必要です。

ここまでは一般入試を想定して書いていますが、入試の形態は他にも、AO、推薦などもあります。こういった内容もしっかり把握した上で生徒への指導に臨むようにしなければなりません。

滑り止めについて考えていることはあるか

講師としては最悪の状況も考えなければなりません。正直に申し上げますと、ここまで書いたことを詳細に分析した時点で、現役の合格は難しいだろうなという生徒さんも割といらっしゃいます。初回の担当が夏休み以降などとなるとその傾向がさらに顕著です。

滑り止めについては早い時期から検討を始めてもらうことが重要です。滑り止めや浪人について調べた結果、第一志望のモチベーションがさらに高まるということもありえます。

いずれにしても、このペースでいくと大体ここくらいに収まるという話を具体的に示していくためには生徒さんご自身でも大学については少しは把握していただく必要があると考えておいてください。

もちろん滑り止めについても過去問の傾向は把握しておくべきです。

普段の学校or塾予備校の宿題の量と達成率

普段から勉強の習慣がある生徒さんと、そうではない生徒さんでは勉強時間を確保する難しさにかなり大きな差があります。

かと言って、学校の課題が多すぎてそれだけで手一杯になっている生徒さんもそれはそれで受験用の勉強の時間を確保することが難しくて、、、といったことも割と頻繁に起こることです。

このあたりを意識せずに課題を出したところで成長をすることはほとんどありません。新人の講師が「なぜか宿題をやってくれなくて」という風に相談してくることが多いですが、そもそも宿題をこなす時間がなかったり、あるいは時間はあるけど、その勉強をするための体力がなかったりすることが多く、このあたりの成長を促していない場合も多いです。

成長を促す必要があるのか、宿題の量を調整する必要があるのか、はたまたその他の原因なのか、授業前に少しでも把握できているとその後がスムーズに進むでしょう。

部活や習い事など定期的に行っていること

定期的に習っていることに使っている時間は、少なくとも受験学年になるまでは減らすことはできないことがほとんどです。部活をしながら大学も現役で合格するのに越したことはありませんから、部活の時間なども踏まえて宿題量などは調整する必要があります。

また、特に部活や習い事の後の時間は集中できないことも多いですが、それでも勉強するためにはどのようにしないといけないか、様々な案を提案しては、上手くいかなかった所は改善して、と調整をしていく必要があります。

もちろん担当をスタートするときの学力と残り時間次第では部活を選ぶのか、進学先を選ぶのかという究極の選択をしなければならない生徒さんも出てきます。それも担当を始める前の段階で把握しておけば、甘々な講師としてスタートして、そういった話は切り出しにくい、ということもなくなるでしょう。

講師は学校の先生などと違って直接課金で仕事をしている以上、夢を見るだけではダメです。現実的に話を進めるための準備は必要です。

ゲーム、ショッピングなど不定期的にだけど頻繁に行っていること

不定期に行っていることは勉強の妨げになるため最終的には制限していく必要があることがほとんどです。とはいえ、これは趣味と言えるものですから、明日からすぐにやめなさいと言っても上手くはいきません。少しずつ勉強の時間を増やすために、スタートの段階で跳び越えなければならないハードルがどれだけ高いのか知っておくのは重要です。

また、趣味は生徒さんとの距離感を詰めるためにも把握しておくことがおすすめです。講師と生徒が共通の趣味を持つことはほとんどないですが、生徒さんに教えてもらいながら少しずつ信頼感を得ることもできます。生徒さんからしたら、自分の趣味に興味を持ってもらえる先生の方が安心感があるのは当たりまえのことです。

厳しいことを素直に言えるためにも距離感は詰められる部分ではしっかり詰めておくのが良いでしょう。

高校受験や中学受験で最大どれくらい勉強していたのか

瞬間的にでもいいので、どれくらい勉強した経験があるのか、この情報はものすごく重要です。フルマラソンしたことのある人にしか、フルマラソンのキツさは分からないのと同じように、勉強についても1日に10時間勉強したことのある人にしか、その辛さは分かりません。

高校受験などで短期間でもそういった経験をしたことがある場合には、かなり楽に勉強時間を伸ばすことができます。逆にそういった経験が今までに一度もない生徒さんの場合は、単純に勉強時間を増やすだけでもかなり苦労することが多いです。その事実を意識せずに生徒さんに無理を強いても上手くいかないのは自明です。

講師の皆さんのように最初から当たり前に10時間勉強できる人間の方が少数派であることは覚えておいてください。

各曜日最大でどれくらい勉強に時間を取ることができるか

単純に勉強時間のMaxの量を把握しておかないと、年間の計画、月別の計画などを立てることはできません。

目標と現状の乖離によって必要な勉強時間には大きな差が出てきますが、とはいえ余裕を持って準備するのに越したことはありませんから、基本的にはどの生徒さんも出来得る限り最大限の勉強時間を確保すべきです。

特殊な事情がない限りほとんどの方は14時間くらいまでなら勉強できるようにはなります。学校がある場合には学校と自習を合わせて14時間、部活などがある場合にはそれによって拘束される時間を差し引くくらいの時間です。

逆に言えば、これ以上は普通の生徒さんには厳しいです。
※ときどきショートスリーパーで勉強しまくっている生徒さんもいますが。。。

もちろん最初からこの最大時間勉強できるわけではありませんから、最大の勉強時間を目標と捉えて勉強時間の改善も指導の一つと思って取り組みたい所です。

家以外の勉強場所の有無

勉強時間を単純に増やす際、家の中では勉強できないという生徒さんも非常に多いです。

家の外で勉強できる場所があると場合によっては楽に勉強時間を増やすことができます。ほとんどの場合は学校や図書館などですが、お金に余裕があるのであれば、カフェや勉強スペースを借りるというのも悪くはありません。

2020年コロナが世間を騒がしましたが、この間、受験生の勉強場所も非常に大きな影響を受けました。やはり家の中で勉強できる生徒さんが最強であることは間違いないですが、それでもやはり最初は勉強しやすい場所からスタートして慣れてきたら家で学習するという形が楽であることは間違いありません。

数3、理科社会の進度

数3と理科社会は学校によっては高3の10月とか11月になってようやく高校内容の全範囲が終わるということもよくあります。一方で、中高一貫や超進学校だと高2のうちに全範囲を習い終わっていることもよくあります。

この2つのケースを比べると純粋な受験勉強だけに使える時間に半年以上の差がありますから、それだけ分、問題演習量に差が出ます。

学校の進度が遅い場合には独学で予習をすることが求められることがあります。高3の夏休み前に一通り未修範囲が終わりそうかどうかを基準に予習の必要性については考慮することが多いです。

※志望校によってはそれでも遅い場合があります。

ですからできれば、初回授業前にその情報を手に入れられると計画を立てやすいでしょう。すぐには難しくても学校の先生に聞いておいてもらうくらいはお願いしておくといいですね。

現在持っているあるいは使っている教材とその進捗

教材を買うのもタダではありません。できるだけ安く受験勉強を済ませることも指導者としては必要な視点です。そのためには生徒さんがすでに持っている参考書については知っている必要がありますし、知らない場合には勉強すべきです。

また担当を始めたときに、すでに何かしらの参考書に取り組んでいる場合があります。その場合は、そのまま続けていっていいかどうかの判断も必要になりますから、事前に知らないものは調べておかなければなりません。

参考書に疎いうちはどれだけ教えるのがうまくても講師としては半人前ですから、とにかく講師自身が勉強してください。学校教材の場合には個人では確認できないこともありますが、それでも調べればある程度まで予想はできますので、調べましょう。

各項目の説明(保護者の方の情報)

ここまでは生徒さんの事前情報として仕入れておくといいものを一通り解説しました。次は保護者の方に問い合わせておいた方がいい内容ついて確認していきましょう。

最低でどれくらいのレベルの大学を希望するか

本人と保護者の方の目指すところが違うことはときどきありますが、少なくとも保護者の方の目指す最低ラインは満たすことができるように指導する必要があります。

そして、授業を始めて1年2年も経った後で急に「このままでは合格できません」では保護者の方からの信用は一気に失ってしまいます。少なくとも初回から3回以内くらいには、講師の判断を保護者の方には共有し、このままだとマズいのか、このままで順調なのかは適切にお伝えするようにしましょう。

そのためには初回の段階で少なくとも保護者の方の考えも把握しておく必要が出てきます。

滑り止めで私立大になった場合、もしくは浪人する場合の費用の計算はできているか

滑り止めや浪人など受験に失敗する最悪のパターンも、保護者の方には考えておいてもらう必要があります。受験に絶対はないわけですし、落ちた場合に講師が生徒の全人生の責任を取ることは不可能です。

私立に通えない、浪人もできないとなる場合には随分ハードな勉強を最初から課す必要も出てくるかもしれませんし、その場合に優しい指導をするだけでは誠実さが足りません。

奨学金について調べているか

生徒さんが長子の場合には、保護者の方が奨学金なんかについて全く知らない場合があります。授業をするだけなら誰でもできるわけですから、それ以外の付加価値が「講師の皆さんの価値」として判断されます。

成績が伸びるのは当たり前、その上で受験に関する諸々の知識を提供することが必要です。

また奨学金があれば私立でも通わせられるというご家庭もあります。生徒さんの選択肢が増えることもありますから生徒さんのためにも親御さんには一度調べていただいて、ご家庭の方針も考えていただくのがいいでしょう。

お金の問題ですから、あーだこーだと口出しをする必要はありませんが、知っていて奨学金は使わない判断をするのと、何も知らないでは全く違いますから、ご存知かどうかだけは確認しておくのが誠実だと思うようにしましょう。

保護者の方の大学経験の有無

保護者の方が大学受験を経験している場合の方が、実は厄介なことが多いです。

よくある例は「そんなもの自分で勉強するものじゃないの?」という考え方をお子さんに強要するというパターンです。保護者の方の時代の受験形態とは全く違いますし、少なくとも東大なんかは20年前の過去問の方が最近の入試より圧倒的に簡単です。

特に小論文などは自分で勉強できると思っていらっしゃる方は多いですが、講師目線で考えるなら最も準備が必要なものの1つが小論文です。

こういった「考え方の違い」は早いうちから講師と保護者の方とで共有を始めないとトラブルの原因になりますので、注意してください。

教材などを含め、教育費として出せる額は決まっているか

できるだけ安く高い効果を得るように指導するのは当たり前ですが、とはいえ、受験までの残り時間と生徒さんの実力、志望校合格のために必要な力を比べてみると、お金で解決(授業数を増やすなど)しないとどうにもならないことも出てきます。

こういったことも突然切り出されるのでは正しいこと、事実を言っていたとしても、もっと早く言ってくれないと、と思われるのが普通です。

もちろん具体的に最初からいくらまでなら出せますか?みたいに聞く必要はないですが、ここまでなら出せるというラインを保護者の方にある程度決めておいてもらうことは大事です。

具体的には講習などの授業回数を相談する時に、話がスムーズに進みますし、トラブルも少なく済みます。授業回数が増やせるならお金で解決できる問題も、それが無理なら早い段階から生徒さんにある程度の無理をさせて解決させなければならないかもしれませんから、そのあたりの調整のためにも様子は伺っておくといいでしょう。

初回授業前の下準備について

このように挙げていくと、授業内容の準備1つ1つよりもそれ以外の部分の準備の方がよほど重要であることがご理解いただけると思います。これまで準備していなかったなと思う部分が一つくらいはあったのではないでしょうか。

ここまでの質問を通して初回授業の前までに以下のような内容を準備しておくといいでしょう。

初回授業までに準備しておくこと
  • 志望校の情報まとめ
  • 大まかな年間計画の作成
  • 1週間にこなすべき勉強量の計算

志望校の情報まとめ

志望校の情報は年間計画を立てるために絶対に必要です。

必要な科目、その科目ごとの配点や合格最低点、問題の出題傾向は最低限必要です。

そしてそれに合わせて、今の得意不得意も考慮して、どの科目でどれくらい点数を取る必要があるか、そのためにはどんな参考書や問題集をこなしていく必要があるかを考えていきましょう。

もちろん滑り止めの大学についても同様に調べておきましょう。

昨年までと同じ傾向ならパスナビで調べれば各科目の配点や過去問の傾向などもわかりますが、共通テストの導入や、民間テストの導入なども踏まえて、最近はかなり状況が変わっていることもよくありますので、最新の情報は各大学のHPで確認することがおすすめです。

大まかな年間計画の作成

年間計画については、2つの意味があります。

1つは生徒さんに良い意味で焦ってもらうこと。ほとんどの場合、生徒さんは必要な学習量を理解していません。理解していれば講師を雇う必要がないわけですから当たり前ですね。

こんなにやらなきゃいけないの?とほとんどの場合は思われることでしょう。

計算をした結果、指導を始める前にすでに絶望的な量の学習が必要な場合もかなり多いです。完全に独学だと厳しい所をどれだけ効率化、短時間化し、合格に近づけるか、というのが講師の介入度合いや介入の仕方によって変わってきますから、介入の仕方を間違えないためにも必要です。

また年間計画については、初回授業で様子を見た瞬間に修正が必要な場合もありますし、月初ごとくらいで下方修正する可能性が高いということも最初に盛り込んでおくといいでしょう。

最初から完璧なものを作る必要はありません。

もう1つは保護者の方にも最初に必要な勉強量を示しておく意味です。場合によっては「この子を合格させるっていうのは講師の方に無理なお願いをしているんだな」と確認してもらうことも重要です。全体像が見えないとそのせいで思いもよらないクレームが入ることもありますし、後手後手に回っているとそのせいで信頼を失っていく可能性が高いです。

また、最初からそれだけ準備して臨む講師の方が圧倒的に信用できますので、年間計画を立てるだけでも保護者の方の信用信頼を少しでも勝ち取ることができるかもしれません。

1週間にこなすべき勉強量の計算

年間計画から単純に日割りして大体の勉強量を計算してみましょう。

ほとんどの方はこの時点でかなり絶望的な勉強時間になるのではないかと思います。学校があっても毎日12時間くらい勉強しないと間に合わないとかそういった調子です。

夏休みや共通テスト以後などには単純な日割りの時間よりも圧倒的に勉強時間を取ることができますから、それも考慮して計算し直してみてもいいですね。それでもやはりかなり厳しいはずです。逆に厳しくない時間配分になっていたらご自身の計画を見直してみるべきです。

生徒さんの勉強時間を増やすためには必要量を提示して、かなり頑張らないといけないという感覚を講師と生徒さんで共有する必要がありますし、そのためには具体的に数字を出すのが効果的です。

生徒さんに努力を促すときには数字を出さねばならないというのは、ここ以降常に気をつけていただきたい項目の1つです。

イメージトレーニングで仕上げ

授業前にこれだけ準備したら一旦授業の流れをイメージしましょう。イメージトレーニングです。

ただし、初回授業に関してはほとんど各科目の内容を「授業」することは不可能だと思います。

志望校に関する情報を改めて共有、年間計画の共有、1週間単位で合格に必要な勉強時間の共有、などなど詰めていくと少なくとも1時間はかかってしまうはずです。

初回授業ではこういったことに時間がかかるということを授業に入るまえに伝えておくことも重要です。

まとめ

今回は、初回授業前にしておくべき準備について整理しました。

授業前に把握すべき生徒さんの情報一覧
  • 現在の学年、通っている高校の偏差値、学年順位
  • 直近の模試の成績(どの模試を受けたのかも含めて)
  • 直近の学校のテストの成績と通っている高校の進学実績
  • 志望校の偏差値、必要科目、過去問の形式、受験の形式
  • 滑り止めについて考えていることはあるか
  • 普段の学校or塾・予備校の宿題の量と達成率
  • 部活や習い事など定期的に行っていること
  • ゲーム、ショッピングなど不定期的にだけど頻繁に行っていること
  • 高校受験や中学受験で最大どれくらい勉強していたのか
  • 各曜日最大でどれくらい勉強に時間を取ることができるか
  • 家以外の勉強場所の有無
  • 数3、理科社会の進度
  • 現在持っているあるいは使っている教材とその進捗度合い
授業前に把握すべき保護者さまの情報
  • 最低でどれくらいのレベルの大学を希望するか
  • 滑り止めで私立大になった場合、もしくは浪人する場合の費用の計算はできているか
  • 奨学金について調べているか
  • 保護者の方の大学経験の有無
  • 教材などを含め、教育費として出せる額は決まっているか
初回授業までに準備しておくこと
  • 志望校の情報まとめ
  • 大まかな年間計画の作成
  • 1週間にこなすべき勉強量の計算

これだけ準備しておけば、ベテランとの差はほとんどないはずです。逆に言えばこの程度のことはベテラン講師は全員準備していると思っておいてください。最初はかなり時間がかかりますが、だんだんと慣れてきて準備に必要な時間も1時間程度で済むようになってきます。

大変な思いは早いうちに済ませておきましょう。

以下の記事に続きもまとめてありますので、ぜひ他の記事もご覧ください。

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