ども、ぽこラボ所長です!
今回は個別指導の生徒さんの成績をグッと伸ばすための「話し方」のコツです。
どれだけ良い授業をしても、
この先生の話は聞きたくない
と少しでも思われてしまったら、いくら個別指導でも成績は本当に全く上がりません。
せっかく準備をしていい授業をしても成績に反映されないのでは、悲しい気持ちになってしまいますよね。
新人研修でアドバイスすることを具体的に書いているので、この記事で「話し方」について見直すべき点がないかどうか確認してもらえればと思います。
生徒の成績が伸びる話し方のコツ4選
まずは気を付けてほしいポイントを書き出してみます。
- ポジティブかどうか
- 言葉以外がうるさいかどうか
- 自信があるように見えるかどうか
- 無言の間があるかどうか
この4つについて詳しく解説していきます!
ポジティブかどうか
まずはポジティブな言葉を使っているかどうか。
生徒さんが宿題をしていなくても、簡単には叱らない。生徒さんが問題を間違っても「違う」とは言わない。
本当に細かい心遣いで変わってきます。
重要なのは2つ。
- ほめ方を学ぶこと
- 叱るのではなく共感からの解決策
これを常に意識してください。
ほめ方を学ぶこと
新人講師をベテラン講師でめちゃくちゃ大きな差の1つは「ほめる技術」です。
「ほめワード」を覚えていくのも大事なのですが、ここではさらに重要な「ほめポイント」の見つけ方について解説しておきます。
新人の先生はとにかく小さな小さな「ほめポイント」を見逃さないことが大事です。
たとえば、生徒さんが宿題をしてこなかった週の授業でも、私なら
先週と比べて2ページは多めにやってきたんだね!やればできるってことじゃん。先週と比べて何で今週は多めに宿題進められたの?
とほめることが多いです。
「宿題をやってこなかった」というマイナスポイントではなく、「先週よりはやってきた」というプラスポイントを見つけられるかどうかが重要です。
こうやって話してあげると、来週は「全部はできなくても先週よりは頑張ろう」という気持ちがわいてくるかもしれません。
全く宿題をやってこなかった週でも
今週は忙しいって言ってたもんね。まあでも前と比べると罪悪感みたいなものは感じているみたいだし、ちょっとは勉強に対して前向きに見られるようになってきたんじゃない?
みたいな感じ。
とにかく少しでもほめポイントを探してそこを突いてあげるのがコツです。
ちなみに生徒さんに限らず、人間は自分の成長に対して無自覚なことが多いので、少しでも見つけてあげてそれを伝えてあげるだけでも「もっと成長しよう」というモチベーションは必ず生まれます。
慣れていないうちは「前回の授業のときとの違い」を意識してみるといいですね。
叱るのではなく共感からの解決策
どれだけこちらが我慢してほめ続けても成長はそんなにすぐに訪れるわけではありません。
特に受験生の個別指導であれば、受験日という制限時間が決まっている分、講師側にも焦りが出て叱ってしまいたくなるタイミングは頻繁に訪れます。
ですが、それでも叱らない方がいいでしょう。
宿題が出来なかったのであれば宿題が出来なかった理由に共感を寄せて、解決策を具体的に提示し続ける方法がおすすめです。
たとえば、
家に帰ってからちょっと休憩しようと思ってスマホを見てたら、いつの間にか時間なくなってたのか。確かにめちゃくちゃその気持ちは分かる。YouTubeだろうがTikTokだろうが面白いものは結構あるし、おすすめ動画出てくるもんね。じゃあ今、アラームを毎日の設定でつけておこうか。大体何時に帰ってくるんだっけ?じゃあその15分後にアラームセットしておこう。
みたいな感じ。
もう少し生徒さんのレベルが上がると
じゃあ、来週はそうならないためにどうする?なんか1個案を出して試してみようか
と自分で宣言してもらうと少し達成率が上がります。
まずは共感を示してあげて、そのうえで具体的な解決策です。
共感のレベルを上げるなら、
先生も休日に~~とか見てるうちに、夕方になってることあるから分かる
のようにここにも具体的なエピソードを挟むのがおすすめです。
正直、生徒さんが宿題をやってこない理由なんて10パターンもないので、何個か練習しているうちに「いつものパターンね」と思えるようになります。
また提案してあげる解決策は出来るだけ具体的である方がいいでしょう。
「ちょっと休憩する前に勉強をしようか」では全然ダメで、そのために何ができるのか考えましょう。
ポイントは「気合で解決せずシステムで解決すること」です。
ポジティブモードでないと1発退場なことがある
ちなみにここまで例に挙げてきた「宿題をやってこなかった状況」ですが、ポジティブモードで対応しないと1発で退場してしまうパターンがあります。
たとえば言い訳を聞く前に叱ってしまったとしたら?
生徒さんはご家庭の事情で宿題が出来なかっただけかもしれません。
冠婚葬祭があったとか、塾講師をしていると「親同士が喧嘩して母親が家出してしまった」みたいなパターンもありますね。。。
このパターンで宿題が出来ず、塾に行ってみたら怒られる、、、
最悪中の最悪ですよね。
生徒さんの見えない部分に対応するためにもポジティブモードで常に対応する癖をつけておきましょう。
言葉以外がうるさいかどうか
続いて言葉以外について。
話し方について解説すると言っておきながら、、、という感じかもしれませんが、話し方以前に言葉以外がうるさい新人講師さんは大量にいて、研修の際にも割と指摘しています。
たとえば、
- 服装が派手orだらしない
- 髪型が派手orだらしない
- ペン回しが多い
- ためいきが多い
- 咳が多い
- 貧乏ゆすりする
- まばたきが多い
- 板書の癖が強い(点を打ちまくるなど)
- 字や図が汚い
このような所でしょうか。
塾講師以外の個別指導なら、もっと出てくるかもしれません。
服装と髪型以外は無意識であることがほとんどだと思うので、めちゃくちゃ直すのには時間がかかる場合もありますが、極端に言えば、講師業をしていないときでも直そうとチャレンジすることはできるので普段から意識してみるといいですね。
他人から見ると気になることを無意識でやってしまっていることが多いので、録画するのが1番でしょうか。
塾講師の場合は、モノマネが得意な明るい生徒さんにモノマネしてもらうと一撃で分かるのですが、なかなかそんな機会には恵まれないので、ぜひ自分の授業を録画して確認してみてください。
言葉以外がうるさいと、生徒さんの集中が切れてしまって全然話を聞いてくれないので、ものすごく重要なのですが、講師側が無意識であることが多いので、要注意です。
自信があるように見えるかどうか
つづいては自信についてです。
特に個別指導の場合は、1対1ということもあって、自信のなさそうな先生に担当されると
本当にこの人大丈夫?
と思われてしまって、そのせいで話が入ってこなくなってしまいます。
講師自身が自信を持てるくらいに事前準備をするのは当たり前のこととして、そのうえで気にしておくべきことを3つ挙げておきます。
- ぼそぼそと話さない
- 考えている時間を作らない
- あいまいな言葉を使わない
それぞれ解説します。
ぼそぼそと話さない
正直、ハキハキ話していたら少々自信がない内容を教えているときでも自信を持っているように見えます。
実際のところ、「自信を持っているように見えるかどうか」の方が、「自信を持っているかどうか」よりも大事なので、まずはハキハキ話す努力をしましょう。
重要なのは、生徒さんの目を見て話すことです。
ぼそぼそ話す新人塾講師の多くはテキストの方ばかりを見てしまって、下を向いているせいで普段よりもさらにぼそぼそ話しているように聞こえてしまいます。
もちろん最初は難しいと思いますが、普段はぼそぼそ話している新人講師も、慣れてくれば授業中はハキハキ話すベテラン講師になるので、慣れの側面も大きいはずです。
とはいえ、意識してトレーニングするのと、そうではないのでは成長速度が全然違いますので、意識はするように。
特に授業の一言目をいつもの1.5倍くらい明るめ、大き目の声で入るのがおすすめです。
一言目がその授業のテンションを決めてしまうので。
考えている時間を作らない
つづいて、講師が考えている時間を作らないことです。
講師が考えている時間なんて生徒さんにとっては何も有益な時間ではないので、その意味でも全然ダメですし、自信がなさそうに見えるのもあいまって最悪な時間です。
考える時間が出来てしまうようだったら、テクニックか事前準備が不足しています。
正直、講師が悩んでしまうようなことを生徒さんが理解できるのかどうかは怪しいことが多いのですが、それも含めて自信を持って
これはめんどくさいから次回に回しましょう
と言い切れるかどうかは重要です。次回に回す「ごまかし力」は「即座に」「言い切れるか」が重要で、
(10秒くらい考える→)これは難しそうだから次回にします?
となってしまうと最悪です。生徒さんは
この人から教わってて大丈夫か?
と思ってしまいます。
難しいものは出来るだけ即座に、次回に回すことを言い切ってしまいましょう。
ちなみに、ベテランになってくると、この問題を解くための諸要素の復習をササっと質問して答えてもらっている間に解説をすべて読み込んで問題を理解するという荒業をテクニックだけで成し遂げてしまいます。
そういったテクニックがないうちは、次回に回して次回までに必死に準備しましょう。
慣れてきたなと思えたら、徐々に「生徒さんにとっても有益な時間稼ぎテクニック」も身につけてほしいところです。
あいまいな言葉を使わない
自信がない講師ほど次のような曖昧なことばを使います。
「たぶん」
「思う」
「っぽい」
「大体」
「まあまあ」
「ちょっと」
「かもしれない」
どうでしょうか?
これも無意識に使っている人が多いはずですので、ぜひ1度自分の授業を録音して確認してみましょう。
普段の生活で使う分には問題ないのですが、講師をしているときのあいまいな言葉はNGです。
「言い切ること」を意識して普段から授業するようにしてください。
それだけでもいくらか自信のある授業に見えてくるものです。
90%正しいことなら100%正しいと言い切ることも生徒さんにとっては、有益であることも多いです。
※生徒さんのためになるなら、生徒さんのレベルが上がってから、実はあのとき教えてたのは嘘で、、、と告白してもOKです。
無言の間があるかどうか
ラストです。
「無言の間(ま)」が授業中にどれだけ発生しているでしょうか?
先ほど、講師が考える時間は作らないようにアドバイスしたところですが、同様に生徒が考えている時間も長々と作る必要はないと思っています。
もちろんこれに関しては反論もあるでしょうが、私がこのように考えるのは、
「生徒が考える無言の時間」は「1人でも作れる時間」だからです。
せっかくお金を払って塾に来てもらっているのに、1人でも出来ることに時間を使わせるのは正直もったいないと私は考えています。
ですので、基本的には授業中には授業の中でしかできないことを、1人で出来ることは家でやってもらう方針で授業しています。
※もちろんお金が捨てるほどある場合は、考える時間も授業中に作った方が良いので、スポンサーの方針には柔軟に合わせていきます。
それじゃ授業できないと考えている講師さんも多いのではないかと思います。
ですが、正直全くそんなことはないですね。
たとえば英作文の問題だったら
「まずはどこが主語かな?」
「そうだね。で動詞は?」
「ってことはどういう書き出しになる?」
「あとはどこを表現しなきゃいけないんだっけ?」
「そうそう。単語覚えてる?」
「OK。それで完璧なんだけど、ちなみに主語が~じゃなくて~だったらどこが変わるんだっけ?」
・・・
のように細かく質問をしながらやれば、全然授業はできますし、生徒さんの頭も止まることはありません。
レベルが上がってくれば、最後の方にチラッと書いた応用問題をこちらで作ってあげるのもいいですね。
これも小出しに質問を続けていくのがいいでしょう。
質問が難しすぎる場合は、生徒さんがフリーズすることもありますが、そのときには即座にヒントを出します。
たとえば、
「OK。それで完璧なんだけど、ちなみに主語が~じゃなくて~だったらどこが変わるんだっけ?」
「おっと、思い出せなそうだけど、ほら三単現って覚えてない?」
と続ければ答えられますよね。
難しいことでも誘導をしてあげると割と答えられるはず。
質問のレベルを合わせられるかが講師の腕の見せ所です。
無言の間が長いと?
ちなみに無言の間が長いと確実に嫌われます。
冷静に立場を逆にしてみてもでも嫌じゃないですか?
なんか知らないけど、無言の間が結構ある授業時間。
講師側にはそんなつもりはなくても、生徒さんは威圧感を感じてしまうものです。
講師は得意分野、生徒さんにとっては苦手分野を扱っているわけですから、その時点でレベル差はハッキリしていて、それを人間的な上下の感じてしまう生徒さんは一定数いらっしゃいます。
私だってオリンピック選手と話していたら、無意識に「相手の方が上だな」って感じてしまいますし、その相手が無言なんて耐えられません。
相手の立場になって考えてみるのも大事ですね。
まとめ
今回は生徒を伸ばす話し方について解説しました。
ここで書いていることが参考にならなかった場合は、話し方には問題ないということですので、他のところに目を向けてみてください。
参考になった部分が少しでもあれば、ぜひ改善を試みてほしいなと思います。
それではまた、所長でした!
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