こちらは【教え方の教科書】の中の1記事になっています。
今回は授業準備の基本的な考え方について説明しています。
早速本題に入りましょう。
新人の講師の皆さんは、新人だからこそ授業の準備はしていらっしゃる方が多いと思います。そしてほとんどの方は「どこにウエイトを置いて準備をするか」という観点で見ると間違っているはずです。
その考え方がまず違います。
- 生徒さんにできるだけ多くのことを持ち帰ってもらうための準備
- 合格させるための長期的な計画を立てるための準備
前者は特に新人の講師の方にとって大事な部分です。後者に関しては、新人だろうがベテランだろうが重要な所です。そのつもりで続きをご覧ください。
生徒さんにできるだけ多くのことを持って帰ってもらう
もう一度、こちらのコメントからスタートしましょう。
ここには間違いがあるという話でしたが、1つ目としてはこの中に「生徒さんにできるだけ多くのことを持ち帰ってもらいたい」というお客様への目線が含まれていないということです。
生徒さんはお金を払って(正確には保護者の方がお金を払って)授業を受けていらっしゃっるわけですから、そのお金以上の価値を提供しなければなりません。
決して、自分が恥をかきたくないから授業準備をするわけではありません。
一度、以下のことを自分自身に問いかけてみましょう。
- 自分の苦手な範囲や単元を厚めに準備していないでしょうか?
- そしてその範囲は本当に生徒さんにとって大事な所でしょうか?
塾講師や家庭教師をなさっている皆さんですから、一般的に見れば学力は高いはずです。一方で生徒さん皆さんが同様に学力が高いはずはありません。
では皆さんが苦手としている単元や細かい内容はその生徒さんにとって大事な所でしょうか?
もっと基本的なことを確実に教える方が、その授業で生徒さんが持って帰るものが多くなる可能性は高いのではないでしょうか?
予習の段階で既に講師自身の保身のための準備に走ってしまっていて、お客様の目線を失っていることは新人の講師の皆さんには非常に多いでしょうから、注意しましょう。
難しいことをやっても1つたりとも持って帰ってもらえないことはあり得ます。
何を教えるのが最も持って帰ってもらえるものが多いのか、これを考え続ける癖をつけましょう。
合格させるための長期的な計画を立てるための準備
くどいようですが、もう一度こちらのコメントに戻ります。
2つ目としては、「長期的な目線がない」という間違いがあります。
もちろん講師の皆さんがもらっている対価は授業をした労働時間に対する対価ではありますが、保護者の皆さんが払っているのは、労働時間に対する対価ではありません。
保護者の方は何に対してお金を払っているのでしょうか?
保護者の皆さんはお子さんの受験の成功にお金を払っています。もっと言えば、お子さんの未来がよくなるために未来に投資をしています。
その目線に立ってみると、講師は今何を教えているかよりも、この生徒さんが受かるためには、成長するためには、何をどう教えていけばいいのかということを考える必要があります。
そして、最終的な結果にコミットしていくためには、生徒さんと対面しているその時間だけが充実しているのでは足りません。
授業中に適切に各科目の内容を教えるのは当たり前で、その上で、どのように自習をさせるのか、どのような流れで進めば合格できるのか、意識してその回の授業を最善のものにしなければなりません。
合格に必要なものを準備しなければなりませんから、「授業準備」と考えるのはそもそも不適切で、「合格させるための準備」と毎回考えなければならないということです。
まとめ(授業準備の考え方)
今回の内容をまとめると次のようになります。
- 自分のためでなく生徒さんのための準備
- 一番多く持ち帰ってもらうための準備
- 合格させるための準備
以下の記事に続きもまとめてありますので、ぜひ他の記事もご覧ください。