ども、ぽこラボ所長です!
今回は模試の復習について。
この記事では、東大卒の個別指導塾講師が、これまで10年以上してきた経験を元に、実際に指導する際に伝えている模試の復習法を全科目分、完全解説します!
個別指導をしていると、こんな風な生徒さんによく出会うんです。
確かに「復習しろ」と言われることはあっても、復習法を学校で教わることはほとんどありませんよね。
あったとしても、「数学は教えてもらったけど…」と1科目分しか教わらないことが多いはずです。
この記事で確実に学んで、その通りに模試の復習をしてください。着実に成績が伸びていきます。
目次
科目別模試の復習法を完全解説
それでは早速、科目別に模試の復習法を解説していきます。
- 英語
- 数学
- 国語
- 理科
- 社会
の順に見ていくので、受験に必要な科目だけ読んでいってください。
英語の模試の復習法
まずは英語の復習法からです。作文以外の復習法は基本的に全て同じです。
読解・文法・語法・リスニング問題の復習
大問ごとに以下の手順で進めてください。
- 時間内に読み切れなかった問題を読む&解く
- 解説の日本語訳を参考に全文を読み返す(自力で読めなかった部分をハイライトする)
- 問題の解説を徹底的に読む
- 知らなかった文法用語を調べて覚える
- 知らなかった単語・熟語を調べて覚える
- 解説なしで全体を音読する
まずは時間内に読み切れなかった問題を読んで解きましょう。
ただし、長々とやっても仕方ないので、時間制限をつけて大問あたり長くとも15分程度に抑えたいですね。
解いた問題は、解説についている日本語と比べながら頭から読み返しましょう。
この際に自力で読めなかった部分はマーカーなどでチェックしていくといいですね。
この後の作業がやりやすくなります。
次に問題の解説をしっかり読み込みます。
どういう問題で、どう解くのが正解なのか、これを分かっていないと、文章は読めても問題の正答率が上がらないという状態に近づいていってしまうんですね。
知らなかった文法用語や単語・熟語は、調べてその場で全て覚えてください。
ただし、注釈に載っていたり、解説に書いてあったことも確実に自力で調べて覚えるようにしてください。
「解説に書かれてたから調べてない」「注釈に載ってたから覚えてない」は無しにしましょう。
ここまでやれば、その大問は完璧に理解できた状態になるので、全体を通しで音読しながら読み返してみましょう。
この音読のスピードがあなたが最終的に目指す入試本番の読解スピードです。
英作文問題の復習
英作文の復習法だけは少し異なるので、作文だけ別でまとめてみました。
手順は以下の通りです。
- 書ききれていない問題は書く
- 辞書が欲しくなった単語を調べて覚える
- 模範解答を理解&暗記する
- 模範解答を解答を閉じて再現する
- 採点結果が帰ってきたら、ミスを把握する
まず模試本番で時間がなくて書ききれなかった問題があれば、それはパパっと書き上げましょう。
辞書がないと書けない所は書かなくていいので、書ける範囲でサクッと書いていきます。
そして「辞書があったら書けたのになー」と思うような単語や熟語があれば、その場で調べて覚えましょう。
次に模範解答を理解して、暗記していきます。
結局最後は「どれだけ自由に書ける英文を覚えているか」が作文の得点に繋がるので、覚えられるものはとにかく覚えていくのが大事です。
覚えたと思ったら、その場で解説を閉じて再現してみます。
再現できるのであれば、暗記としては合格。再現できなければ不合格です。
覚えたつもりになっていないかチェックしてみてください。
採点結果が忘れたころに返ってくるので、それも必ずチェックしましょう。
日本人が間違えやすいのは、
- 単数、複数(それに伴う三単現のs)
- 冠詞
- 時制
あたりですね。
この辺は日本語と英語で大きく異なるので、ミスしてないかチェックしておくのがいいですね。
数学の模試の復習法
次は数学の模試の復習方法についてです。
まずは全体の手順からです。
- 時間が足りなくて手を付けていない問題を解く
- 解説を隈なく読み込む
- 解説を閉じて間違えた問題を解き直す
- 類題・周辺問題を参考書でチェックする
順に見ていきます。
まず、時間が足りなくて手をつけられていない問題があった場合は、大問1つあたり15分以内くらいで解けるところまで解いてみましょう。
この段階では、解けなくても粘る必要はありません。
次に解説を全て見ていきます。
解説は隅から隅まで一言も見逃すことなく読んでいくことが重要です。
全て理解できたら、解説を閉じて間違えた問題を解き直してみてください。
このときに必ず計算まで自力でやるようにしてくださいね。
ここまででも模試の復習としては、十分ではあるのですが、余裕があれば類題や周辺事項をチェックしておきたいところです。
たとえば「場合の数・確率」の単元が全然解けなかったのであれば、模試で出題された問題の類題くらいは力試しとして解いておきたいですね。
さらに余力があれば、「場合の数・確率」全体を問題集でやり直す、くらいの演習までできれば完璧です。
次の模試からはむしろ得点源にすることもできるでしょう。
国語の模試の復習法
次は国語です。国語は現代文と古文漢文に分けて解説していきます!
現代文の復習法
現代文の復習は次の手順で進めてください。
- 解説を読みながら、文章全体を頭から読み返す
- 問題の解説を隈なく読んで理解する
- (記述の場合)解説を閉じて模範解答を再現する
- 知らなかった単語、用語を調べて覚える
まずは解説を読みながら、文章全体を読み返してください。
たいてい模試の解説には、意味段落ごとに解説が詳しく載っているので、それを読み飛ばすことなくしっかり読んでいけば、ある程度は理解できるようになっているはずです。
文章を読み込んで理解したら、次は問題の解説を読んでいきます。
選択問題の場合は、「なぜ正解なのか、なぜ不正解なのか」をしっかり理解するようにしてください。
記述の場合も、何を答えることが求められていて、その説明が文章のどこにあるのかを理解するようにしましょう。
記述問題の場合は、理解したら解説を閉じて、模範解答を自力で再現できるかチェックしてください。
最後に知らなかった単語や用語は自分で調べて覚えましょう。
模試の解説中にも、用語の解説は載っているはずですが、自分で調べておくことが重要です。
模試の解説は紙面が限られているので、軽い解説しかないからですね。
ググれば、どんな用語なのか、より詳細に把握できます。
古文漢文の復習法
古文漢文の復習法はほとんど英語と同じですね。次のように進めてください。
- 時間内に読み切れなかった問題を読む&解く
- 解説の訳を参考に全文を読み返す(自力で読めなかった部分をハイライトする)
- 問題の解説を徹底的に読む
- 知らなかった文法・句法を調べて覚える
- 知らなかった単語・漢字を調べて覚える
- 解説なしで全体を音読する
まずは時間内に終わらなかったものをサクッと解いていきます。
大問1つあたり15分くらいしかかけられない入試が多いはずなので、15分以上は伸ばさないようにしてください。
まずは、解説の訳を見ながら、文章全体を読み返していきます。
この際に自力では読めなかった部分をマーカーなどでチェックしておくといいですね。
文章を理解できたら、問題の解説を見ていきます。
内容一致問題などは文章さえ理解できていれば、イージーだと思うので、しっかり見ておきたいのは文法や句法の問題ですね。
文法書や句法書、辞書などで調べてください。持ってなければ買っておいた方がいいでしょう。
あとは、音読しながら全体を読み直して終わりです。
調べて覚えたことがパッと思い出せるか意識しながら読み返すといいでしょう。
理科の模試の復習法
次は理科です。
物理だろうが、化学だろうが、生物だろうが、基本的には数学と同じ手順で復習をすれば大丈夫です。
- 時間が足りなくて手を付けていない問題を解く
- 解説を隈なく読み込む
- 覚えるべき要素をすべて覚える
- 解説を閉じて間違えた問題を解き直す
- 類題・周辺事項を参考書でチェックする
まずは時間不足で解けなかった問題に改めて手をつけてみます。
ただし大問1つあたり、20分以内に押さえてください。
長々と考えないと解けない問題は、サクッと解説を見て理解した方が早いので。
次に解説を隅から隅まで読み込みます。
その場で、覚えられる限り覚えてしまいましょう。
そして、理解した問題は解説を閉じて解いていきます。
計算問題なら必ず自力で計算し、記述問題なら模範解答を再現しましょう。
分かったつもりになっていたら、途中で解けなくなることも出てきますが、その場合は改めて解説をチェックしてちゃんと理解してください。
最後に類題や周辺事項を参考書でチェックしていきます。
化学や生物は、周辺事項で覚えるべきものが覚えられていない可能性が高いので、資料集などの該当範囲は目を通してその場で覚えておきたいですね。
社会の模試の復習法
最後は社会です。
- 時間が足りなくて手を付けていない問題を解く
- 解説を隈なく読み込む
- 覚えるべき要素をすべて覚える
- 解説を閉じて間違えた問題を解き直す
- 類題・周辺事項を参考書や教科書でチェックする
社会もまずは手を付けられなかった部分をサクッと解いていきます。
論述が残っている場合もあると思いますが、論述は字数が足りなくても、途中まででも書いておきましょう。
ちゃんと書いてからの方が、解説を読んだときにしっかり頭に残るようになるからですね。
ただし時間をかけすぎても意味はないので、難易度的に手を付けられない場合は、パスでもかまいません。
次に解説を隅から隅まで丁寧に読んでいきます。
途中途中に覚えるべき要素がいくつも出てくると思いますが、覚えていなければマーカーでチェックなどをしておくといいでしょう。
一通り、解説を読み切ったら、覚えられていなかった内容をその場でできる限り覚えていきます。
ちゃんと覚えきれば、解説を閉じて解き直しをしても解けるはず。
論述問題がある場合は、ちゃんと模範解答を再現できるか、自力で書いてみてください。
類題や周辺事項を参考書、教科書、資料集などでチェックして終わりです。
社会は1つ覚えていないことがあれば、周辺事項にも必ず覚えていない内容があるので、絶対にチェックしてください。
歴史科目であれば、周辺のできごとの流れもチェックしておかないと後で必ず忘れてしまうので要注意です。
模試の復習にかける時間=試験時間の2倍を推奨
さて、ここまでに解説した復習法を完璧に全てこなそうとすると、得点率によっては、時間がかかりすぎてしまうこともあります。
そこで模試の復習にかける時間の目安について説明します。
基本的に模試の復習は、「試験時間の2倍まで」を目安にしましょう。
80分の模試だったら、復習に使うのは最大160分。60分の試験なら120分です。
4割くらいしか正答していない模試であれば、3倍~4倍の時間がかかることもあるはずですが、時間がかかりすぎる問題は、現段階ではレベルが高すぎる問題です。
得点できそうな大問から復習を始めていき、試験時間の2倍までで、扱える部分まで進めばそれでOKです。
特に英語や国語は頭から読み返していくとかなり時間を食うので、解きやすそうな大問から復習を始めていって、2倍の時間になったらそこで止めましょう。
大事なのは、その復習した部分までは、もう一回同じ問題を確実に解ける状態にすること。
ちなみに、受験まで時間的に余裕のある高1高2の生徒さんであれば、試験時間の3倍~4倍の時間をかけて復習しても大丈夫です。
模試の復習の推奨タイミング
次に、いつ模試の復習をすべきなのか、について。
模試の復習は「早ければ早いほど良い」というのが受験業界の常識です。
模試を受験した当日から復習を始めて、2~3日以内には全て復習が終わった状態に死体ですね。
日を置けば置くほど、復習のモチベーションが下がっていくので、最低でも当日中に1教科だけでも復習をして、少しでも続きをやる心構えを作っておきましょう。
解説を読んでも分からない問題があったらどうするか
模試の復習をしていると、解説を読んでも分からない問題が出てくることがあるはずです。
ですが、模試の解説は、そのレベル帯の問題集の中ではトップレベルに解説が手厚いことがほとんどです。
独学で勉強しているのであれば、完全にパスをしても構いません。
学校や塾の先生などに質問できるのであれば、質問するのもいいでしょう。
あまり自力で解決しすぎようとしないことが重要です。
上述の通り、模試の復習は「試験時間の2倍」を目安にしてほしいので、解説を3回読んでも分からないような問題はパスして、1回~2回読めば分かる問題を先に復習していく方が、今後の得点にも繋がります。
やってはいけない模試の復習法
ここまでに解説した手順通りに復習をすれば、それだけで十分なのですが、2つだけ「やってはいけない復習方法」があるので、それを指摘しておきます。
その2つがこちらですね。
- 復習ノートを作る
- 間違えた部分だけを見返す
それぞれ見ていきましょう。
復習ノートを作る
まず復習ノートを作る必要はありません。
これまで10年以上個別指導をしてきた経験上、復習ノートをちゃんと作って意味があるのは「マメで」「受験までに余裕があって」「地頭が優秀」な人だけ。
まずマメじゃないと、ノートを作っても見返すことがないんです。
見返さないなら、わざわざノートを作る意味ないですよね。
さらに受験までに余裕がないと、ノートにまとめるという時間のかかる作業に時間を割くのはもったいない。
そして、地頭が優秀じゃないと、「大事な部分を正確に書きぬく」みたいなことができないんですね。
この3拍子そろっている人は全高校生の中でも1%~2%くらいじゃないかと思います。
よほど自信がある人じゃない限り、復習ノートは作らなくてOKです。
間違えた部分だけを見返す
次に間違えた部分だけを見返す人もけっこういると思うんですけど、これも止めてください。
安定して90点以上を取れている科目なら、間違えた部分だけでもいいんですけど、そうでもない限り「たまたま正解しただけ」の問題は必ずありますし、そういう所を見逃す可能性が高いからですね。
さらに言えば、「解けてはいても、もっといい解き方があった」みたいなパターンもあるわけですから、絶対に解説を読み飛ばさないようにしたいですね。
模試の復習をサボる人は受からない
最後に、1番大事なことをお伝えして終わりにします。
それは、模試の復習を絶対にサボるな!ということです。
これまでの指導経験上、賢くなくても受かる人は模試の復習をサボらないですし、賢くても落ちる人は模試の復習をサボります。
特に受験生の9月~11月あたりは、「進めたい参考書もあるけど、模試も多い時期」なので、ついつい模試の復習をサボりたくなる時期なんですけど、絶対にサボってはいけません。
模試で間違えた問題は本当に一撃で頭に残りますから。
問題集で間違えるのとは、効率が全然違うんですよ。
この記事で書いた復習方法でしっかり復習を続ければ、少しずつ成績は伸びていきますから、必死に勉強を続けてくださいね!
それではまた、所長でした!