ども、ぽこラボ所長です!
今回は生徒の実力を上げる個別指導の授業のコツについて。
結構、丁寧に教えているつもりなんだけど、生徒の成績が上がらない、、、
授業で説明したのに、宿題では全然できていない、、、
こんな悩みをお持ちではありませんか?
今回は、普通に授業をするだけなら出来ているけど、そこからさらに「生徒の実力を上げる」ための授業に踏み込みたいという人向けの解説記事になっています。
科目ごとの内容というよりは全ての科目に共通の内容を中心に解説していきますので、まずは全科目共通に言えることをインプットしたうえで、自分の授業で改善できるところがないか確認してみてください!
個別指導の授業で意識すべき大原則4選
個別指導で生徒さんの成績を伸ばしてあげたいのであれば、以下の大原則を4つ頭に叩き込む必要があります。
- 授業時間を守る
- ほとんどの場合はスピード不足
- 講師がいないとできないことに集中
- 独学の時間が充実するようにする
今回はこのそれぞれを深堀しつつ解説し、さらにこれとは別に、よくある質問についても解説していきます!
授業時間を守る
まずは皆さんが学校でしつこく習ってきたであろう「時間を守る」ということについてです。
細かいトピックに分けると次の3つ。
- スタート時間もゴール時間も守る
- 長いのが正義なわけではないことに注意
- まずは時間を意識しながら、時計を見ながら授業を出来る余裕を
これを深堀します。
スタート時間もゴール時間も守る
1番最初は社会人としての常識として(大学生のアルバイト講師でも生徒から見れば社会人です)、スタート時間とゴール時間は守りましょう。
特にスタート時間を遅らせてしまうのは、生徒さんからの信用を失う行為になります。
信用出来ない人の授業は聞く気になりませんし、宿題もやる気が出ません。
科目の好き嫌いは、割とその科目を担当している学校の先生の好き嫌いに一致する生徒さんは多いので、生徒さんの信用を失って万が一嫌い側に振れてしまうと、あなたは生徒さんの役に立つことは一生できなくなります。
まずは最低限スタート時間を守りましょう。
また社会人としては、ゴール時間も守る必要があります。
あなたが授業後の時間がフリーだとしても、生徒さんもフリーとは限りません。
いや今日は先生に授業を5分延長されちゃってさ、、、
とあなたが遅刻の理由になっている可能性が出てきてしまいますので、必ずゴール時間も守るようにしましょう。
※塾講師は大学生のアルバイトさんも多いので、大学生の時間間隔で時間のずれが生じると、普通は信用を失うのは覚えておきましょう。
さらに個別指導の場合は、授業時間が長い生徒さんと、短い生徒さんがいると確実に「えこひいき」に見えてしまいますので、その意味でも授業時間はキッチリ守らないと不平等を生産してしまいます。
長いのが正義なわけではないことに注意
「授業が長い」のは熱心な証拠だと思っているのであれば、それは大間違いです。
生徒さんからは授業が長い先生は確実に嫌われていきます。
生徒さんは「自分でやるよりも先生に教えてもらう方が効率が良いから」という理由で個別指導に通っているわけで、
より短時間でより多くのことを学ばせてくれる講師の方が好まれるのは当たり前ですよね?
より短時間でより多くのことを学んでもらうのがあなたの仕事だということをハッキリ意識して授業できていますか?
「授業を良くする」ためにまず最低限、この心構えは持ってください。
ここから授業の質を上げることが始まります。
まずは時間を意識しながら、時計を見ながら授業を出来る余裕を
そもそも、授業時間を意識できてないくらいに余裕がないのでは、授業の質の改善は出来ません。
まずは練習として、頻繁に時計を見ながら授業できるようになりましょう。
授業の最初に
今日はここまで進む予定です
というのを宣言してから授業を始めるのもおすすめですね。
60分の授業であれば、半分の30分で、宣言した内容の半分まで進んでいるか確認できますよね。
ちなみに時間を意識して授業を出来ないようでは、授業回数や授業ペースの計算も出来ません。
塾講師であれば、生徒さんの入試日程までにどれくらい授業があって、そこまでにどれくらいの内容を扱えるのか概算でも、計算できるのと出来ないのでは授業の質が変わってくると思いませんか?
今あなたが生徒さんに教えている単元、章はあと何時間の指導で終わる予定でしょうか?
問題集は何回の授業で終わる予定でしょうか?それは何月のことになりそうですか?
計算できないようなら、まずは時間の感覚を身につけましょう。
ほとんどの場合はスピード不足
時間を気にするようになったら、すぐに気づくと思いますが、新人講師のほとんどの授業は圧倒的スピード不足です。
研修でも必ずスピードを上げるように指導しますが、その指導内容は次のような物です。
- 生徒のレベルに合わせて引き算できていない
- 考えている間が無駄
- 相手の言いたいことを先読みする、汲み取る
- 二度手間のオンパレード
- 丁寧にするなら、例を増やせ
次にこれらについて深堀していきましょう。
生徒のレベルに合わせて引き算できていない
ほぼほぼ新人講師の全てに当てはまることですが、難しいことを教え過ぎ問題からです。
テキストの順番通りに進めれば、新単元を指導していようとも発展問題が出てきますが、普段の定期テストで50点しか取れていない生徒さん発展問題を最初から解けるでしょうか?
最初から挑戦すべきでしょうか?
まずは今日の授業と宿題で、基本問題を完璧にできるようになってもらって、来週は発展問題に進むというやり方でも良いですよね。
特に新しいことを教えるときに、テキスト通りに進めるのでなく、適度に間引いてあげるのは講師の仕事です。
英語なら「これは例外なんだけど、、、」みたいな内容とか。
数学なら補助線を見つけないと解けない問題とか。
生徒さんのレベルに合わせて、今日覚えて欲しいもの、今週の宿題を通してできるようになってほしいことを意識して授業をできるようになるのは重要です。
これが出来ないと、授業の進むスピードが著しく低下します。
そりゃそうですよね。生徒さんのレベルに合ったことをやっていないんですから。
思い切って飛ばすことがスピードアップにつながり、結果として後々難しい内容まで扱う余裕が出てくるものです。
考えている間が無駄
次に
- 講師自身が考えている時間
- 生徒さんが考えている風の時間
をとにかくカットしていきましょう。
まずは講師自身が考えている時間から。
個別指導でも、集団授業でも良いですが、講師自身が授業中に何を考える必要があるのでしょうか?
難しい問題や質問が出てきても準備万端であれば、答えられますし、それでも答えられないものは必要ないものと判断することも可能です。
もちろん新人の講師であれば、色々と想定して準備したけど、そもそもの想定が甘かったということは起こり得ますが、まずは瞬発力が大事だということは覚えておきましょう。
何の罪悪感もなく、講師が黙って考える時間なんて作ってはいけません。
生徒さんからすれば、
本当にこの人から教わってて大丈夫?
と不安感を抱く理由になりますし、その時間って生徒さんは何も得るものがない空白の時間ですよね?
授業時間を精一杯使い切ることで授業料的にはコスパが最大になるわけですから、空白の時間はできるだけ作ってはいけません。
また、空白の時間は「生徒さんの考えている風の時間」にも出てきます。
生徒さんに質問をして、その回答が返ってくるまで待っている講師をときどき見かけますが、本当に生徒さんの頭は働いていますか?
その時間にちゃんと考えているのであれば、ギリギリ許せますが、生徒さんの頭は割と2秒くらいの思考で「解けない」「分からない」モードに入ってそこから先は考えている風の時間になっていることがほとんどです。
そもそも、生徒さんのレベルに合った適切な質問を常に投げかけられていれば、数秒以内には生徒さんから反応が返ってきますので、生徒さんのために待ってあげるのではなく、自分の質問が下手だったことを疑うべきです。
質問のレベルは「〜〜って何?」みたいなオープンクエッションが1番高くて、「〜〜ってAそれともB?」みたいなクローズドクエッションが1番低いので、生徒さんの反応が悪ければ、徐々にヒントを出したり質問のレベルを下げるなどして、適切なレベルを見極めていきましょう。
相手の言いたいことを先読みする、汲み取る
生徒さんに質問をしてもらった回答や、生徒さん発信の質問など授業中に生徒さんからコメントをもらうことがあると思いますが、生徒さんのコメントの中にはわかりにくいものもあるでしょう。
それはできるだけこちらが先読みして汲み取ってあげましょう。
多分、この子はこうやって答えてくるだろうな
と思いながら質問して、その通りに返ってきたらシメシメと思いつつ授業を続けるわけですね。
特に現代文とか、小論文のようなどうしてもオープンクエッションが多めになってしまう授業では注意しましょう。
と言いつつも、これに関しては経験でかなりカバーされる領域かなと思いますので、アドバイスも抽象的になってしまって申し訳ないのですが、、、
二度手間のオンパレード
続いては二度手間について。
めちゃくちゃあるのは、英語の長文なんかを教えているとき、
- 英文を講師が読む
- 生徒が訳を答える
- 不足を講師が付け足す
みたいな方法で進めていないですか?
特に1の「英文を講師が読む」の二度手間感がすごいなと私は常々思っています。
※ちなみにここで言っているのは全体を通しで読む、みたいなやつではなく、1文1文を読む場合でも当てはまります。
だって生徒さんはその英文をすでに読んできているんですよね?
訳もノートに書いているんですよね?それを全部読んでもらう必要もないので、2も二度手間になっている可能性があります。
現代文を教えるときもなんでわざわざ講師が本文を読む必要があるんですかね、、、謎です。
って説明すると、自分が予習として読んでなくても同様の対応ですか?って聞かれるんですけど、新人講師のうちは予習はしておいた方がいいっていうのは置いておいて、
予習なんかしなくても、答えが手元にあれば本文を講師が読む時間はカットできます。
最初の1文くらいは読むかもしれませんけど、それ以降は今その場で解説している文章の続きを解説している最中に読んでいくわけです。
わかりますかね?授業中に生徒さんに質問したり、生徒さんには有意義な説明を加えたりしつつも、次の文章に目は移っている状態です。
まあこのテクニック自体はかなり難しいので、授業中に少しずつ練習してもらうしかないのですが、そういうことができる講師がいるということを知っておけば練習する気にもなりますよね。
他にも板書。あれも二度手間じゃないですか?
講師が書いて、それを生徒が写して、、、場合によっては生徒さんがノートに記録している間に謎の待ち時間が発生します。
講師が話しながら生徒さんのノートに書いていけば十分ですし、接触が難しいようならタブレットにでも書きながら後で共有すれば済む話ですよね。
これも生徒さんにノートを取らせないと頭に入らないのでは?とか、眠くなるのでは?とかそういった質問をされることがありますが、それはあなたが頻繁に質問をして、生徒さんの頭が働いている状態を作れれば問題ありません。
こっちが話している時間の分、確実に生徒さんの頭が働いていると思わないことです。
それができるなら生徒さんは学校の授業だけで、満点を取れます。
むしろ講師が話さず、生徒さんが話している時間こそ生徒さんの頭が働いている時間。
授業をしつつ、そんな時間をどれだけ作れるかを意識してみてください。
ここで挙げたような謎の二度手間を少しずつ改善するだけでも授業のスピードが倍くらいになる人がいます。
しかも生徒さんの頭はちゃんと働いて、授業を理解している状態でスピードだけ倍になるのですから、生徒さんにとっては得しかないですよね。
丁寧にするなら、例を増やせ
生徒さんにちゃんとわかってもらうために丁寧に説明しているんです
っていう謎理論でゆっくり授業を進めたがる講師もいますが、それも正直無駄ですね。
1回丁寧に勉強するよりも雑でも良いから何度も繰り返し勉強する方が頭には残ります。
解説パートを丁寧に行なっているせいでのんびり進んでしまっているのであれば、ある程度解説パートはテンポよく進んで「例」をたくさんあげるようにしましょう。
例えば、
what to doでどういう意味だっけ?
じゃあwhich to doだったら?
what to readは?which to readは?
じゃあ今度は「いつすべきか」は英語で?
「どこですべきか」は英語で?
みたいな感じでバンバン例を出して掴んでもらう方が早いですし、生徒さんの頭は働き続けます。
詳しい説明は、例で正しい形を頭にインプットした後でやってもいいわけです。
むしろそっちの方が人間の自然なインプットの仕方に沿っている気がしませんか?(帰納的な理解。)
普通は具体例をいくつもインプットすることで、抽象概念を理解できるようになるので。
講師がいないとできないことに集中
次に授業時間の使い方、授業内容を考え直す上で気をつけるべきことについて踏み込んでいきます。
授業中は講師が隣にいないとできないことに最大限の時間を払うようにしましょう。
それが1番生徒さんの成績を伸ばす近道になります。
具体的には次の4つに注意してみてください。
- テストは授業時間外に
- 問題を解くのは家でやらせろ
- 質問でプレッシャーを与える&分かっていない所をあぶりだす
- テキストの解説以下の授業になっていないか
テストは授業時間外に
どうしても納得できないシステムだなと思うのは、テストを授業時間中にやっているパターン。
これはシステム的にそうなっている塾も割とあるとは思いますが、少なくとも個別指導では必要のないシステムかなと。
テストが必要か不必要か、でいうと必要性はあると思うのですが、それを授業中にやるのはどうか、と思っています。
正直、テストは1人でもできますからね。
生徒さんの成績を伸ばしたいのであれば、授業時間に講師が暇になる瞬間は一瞬たりともあってはならないと思いますし、その意味で講師が超絶暇をするテストは授業中に行うべきではないと思っています。
お金を取らずに別時間でやるのであれば、全くもって構わないのですが。
問題を解くのは家でやらせろ
問題をただただ生徒さんが解いている時間も個別指導には必要ないと思っています。
少し上で挙げた例のように、生徒さんにプレッシャーを与えつつ、考えている時間を口頭で生み出しているのであれば、講師の意義はありますが、
ただただテキストに書いてある問題を講師の力を何一つ使わずにバンバン解いているだけの授業時間は無駄です。
それも自習の時間にやって貰えば済む話なので。
とにかく授業中は講師が暇にならないように、同時に生徒さんの頭の常に働き続けるような授業スタイルを模索してください。
質問でプレッシャーを与える&分かっていない所をあぶりだす
私は講師が暇にならず、生徒さんが常に頭を働かせている授業の1つの例が、質問をしまくりながら授業を進めるスタイルだと思っています。
質問をされる経験って実はそれほど日常生活になくて、割とプレッシャーのかかる経験になるんです。
講師は適切な質問をしては、生徒さんが考えている瞬間に適切なヒントが必要ないか顔色をうかがいながらも、次の問題をチェックして次の質問を考え続けて、、、という感じで暇な瞬間はありませんし、
生徒さんは生徒さんで、いくつも質問が飛んでくるから休む暇もなく頭を働かせ続けることができます。
もちろん、これ以外の解を見つけられたら、講師それぞれが自分の理念に沿って生徒さんのために頑張ってもらいたいところですが、ここでは1つの参考として覚えておいてもらえればと。
一方的に教える形ではなく、(かなり多めに)質問をしながら進めるスタイルは生徒さんの分かっていない部分をあぶり出すのにも効果的だと思っていて、それも含めてより良いやり方を思い付けた方は教えていただきたいと思います。
テキストの解説以下の授業になっていないか
講師がいる意味を常に考えていかなければなりませんが、それを考える上で絶対に出てくるのが「テキストの解説以下の授業になっていないかどうか」です。
テキストの解説よりも「詳しい」ことが善ということではありません。
テキストを使って1人で勉強する以上の価値を提供できているかどうかを疑って星ということ。
テキストと同じレベルの解説しかしていないけど、覚えやすいようにゴロを一緒に教えてあげるとか、
むしろテキストよりも解説を減らして、大事なところに集中してもらうとか、
もちろんテキストの2倍3倍詳しい補足説明を足していくとか、
いろんな形でテキスト以上の価値を提供できるはずです。
テキスト以外にもスタディサプリのような映像授業や、今ではYouTubeで無料で見られる教材の増えてきていますから、それと比べてあなた自身がどのような価値を生徒さんに提供できているかを考えてみてください。
独学の時間が充実するようにする
授業中に意識することは解説しましたが、より直接的に授業内容に関してです。
授業内容を精査するときに意識すべきことは次の3つ。
- 宿題の手が止まらない準備の時間として授業を位置づける
- 辞書の使い方を教えるのも立派な授業
- 宿題の意義を語るのも立派な授業
それぞれ解説していきます。
宿題の手が止まらない準備の時間として授業を位置づける
まず私が考える授業の意味についてです。
私は授業を「宿題の準備時間」だと考えています。
ですので、新単元を解説するときには、この後宿題にする内容を意識して、生徒さんが宿題を家でやるときに手が止まらないように授業で必要なことを教えている感覚です。
授業をする前に宿題ファーストで授業を設計していますか?
生徒さんの勉強時間は授業の時間よりも独学の時間が長いわけですから、その時間が充実するような設計でないと意味がありません。
宿題に出てくる内容で必要になる項目は飛ばしませんし、逆に言えば、宿題に必要ない項目はバンバン飛ばすこともあります。
※レベルに応じて、後で教える方が効率的なこともあるからです。
宿題をやっていて、手が止まりかけた時のためにノートにはめちゃくちゃヒントを残していますし、
ヒントを残していることに自覚してもらうために、
実はこの問題のヒントは先週の授業でここに残してたんだけど、これってどんな内容だったっけ?ノート見ながら思い出して説明できる?
みたいな質問を次の週の授業ですることも多いです。
これでノートにヒントがあることを意識してもらえれば、次から生徒さんは宿題をするときにヒントを探しながら勉強を進めるかもしれません。
そもそも、個別指導に求められることは「とある単元についての知識を得る」こと以上に「とある単元のとある問題を解く知識を得る」ことであることが多いので、その意味でも宿題先行(解くこと先行)で授業設計していくのは非常に重要です。
辞書の使い方を教えるのも立派な授業
宿題の手が止まらないことが授業の大きな役割という前提に立つと、辞書の使い方を教えるのも立派な授業になります。
辞書を使えなければ、解けないものも、辞書が使えれば解けるかもしれないからです。
宿題を設定するときに、勉強の手順を教えるのは必須で、各参考書ごとに宿題のやり方を説明するのは当たり前ですが、
辞書、資料集、教科書、映像授業、文法書などなどの使い方を教えるのも講師の仕事です。
こういうものの使い方って実は勉強ができる人と、できない人に大きな差が生まれる部分であることをご存知ですか?
個別指導講師をしていながら、生徒さんが正しく勉強のツールを使えているか確認できていないのであれば、今すぐチェックしましょう。
できていない人はもはやモグリです。
宿題の意義を語るのも立派な授業
そして、宿題の意義を語るのも授業中に行なっていいことです。
これこそ授業外の時間でサービス労働として行なっている講師はいませんか?
これに関しては、生徒さんごとにかかる時間が全く違うので、宿題の意義語りを授業外にやっていると、生徒さんごとにかけている時間に差がついてしまって、贔屓に見えてしまいがちです。
授業中にやるのをお勧めします。
授業中にやることは、講師がいなければできないことです。
映像授業を見れば理解できる内容を教えることよりも、宿題をなぜやらないといけないのかを語る方が圧倒的に講師がいなければ成立しない授業です。
どこに時間を使うべきかは改めて、考え直してみてください。
よくある質問
最後によく質問されることもまとめておきましょう。
次の3つにそれぞれ答えていきますね。
- 分からない問題が出てきたときにどうするの?
- 1から10まで説明したのに伝わらない、、、
- 大前提として生徒さんが時間を買いにきている場合は?
分からない問題が出てきたときにどうするの?
よくある質問の1つ目。
個別指導をしていると、自分では教えられない(少なくとも入念な準備をしないと教えられない)問題の解説を急に頼まれることがありますが、どうしたらいいのかと。
まず1つは、サービスの幅は最初に徹底的に説明しておくべきでしょう。
私は英語と国語と日本史は教えられるけど、それ以外には対応できない、あるいは対応できても時間をいただくことがあると。
最初に生徒さんに教えてさえいれば、問題が生じることはありません。
大手の塾の新人講師さんだと、そんなことは私の口からは言えません状態になっていることもあると思いますが、その場合には、先輩講師を頼れる状態にあるはずなので、バンバン頼って解決しましょう。
いつかあなたも頼られる場面が出てくるでしょう。
その時のためによーく頼っておきましょう。
ちなみに、その場で解決できなさそうな問題に関しては、個別指導で教えるべき問題ではないことも多いです。
講師の方が勉強はできることが多いわけですから、講師がわからないことを生徒さんが必ずしも理解する必要はないことも多いということです。
これは、今解けなくてもいい問題だからスルーでいいよ
と自信を持って言い切れるかどうかが大事です。
1番マッチョなアドバイスとしては、それくらい乗り切る技術を身につけて、知識を蓄えておけ、です。
まず乗り切る技術としては、質問を回答するのを後回しにして、授業の途中途中で、その問題を考えるスキを作るだけの余裕を持つイメージです。
問題1を解説しなければならないけど、わからない。だから問題2と3と4を解説している最中に考えるみたいなことです。
授業に余裕がないとできないことですがスキルさえあれば可能です。
私もよくやっています。
また、東大の理科三類に余裕で合格できるだけの知識さえあれば、生徒さんの質問にはそもそも困りません。
そもそも困らないくらい知識を身につける努力はしてください。
お金をもらっている以上、あなたはプロです。
プロは練習を怠ってはいけません。
1から10まで説明したのに伝わらない、、、
これもよく質問されるもの。
1から10まで説明したんですけど、全然理解してくれないんです。。。
みたいな質問。
これはほとんどの場合、1の位置を間違えています。
算数が分からないのに、高校数学がわかるわけないですよね?って答えるような質問です。
とある単元を理解するのに必要な前提知識を順々に辿っていきましょう。
もちろん小学生レベルのことまで辿るのは当たり前です。
例えば、高校化学のモル計算ができない生徒さんの多くは小4の「割合」という単元でつまずいています。
英単語がわかっていないのではなくて、その訳の日本語を知らないということもしょっちゅうあります。
新人講師が「丁寧に説明した」と思っているのは内容的にまだまだ雑である可能性が高いのは知っておくといいですね。
また、丁寧に解説するくらいならいくつも例を出して、帰納的な理解を促す方が100倍速いです。
それも絶対に覚えておきましょう。
大前提として生徒さんが時間を買いにきている場合は?
ここまで解説したことを全てひっくり返すような大前提を考慮しなければならないことがあります。
それは、時間がないからそれをお金で解決しようとして、個別指導を利用するというパターン。
もちろん、ほとんどの生徒さんは部分的に、こういった発想があるのですが、それの究極体みたいな生徒さんが時々いらっしゃいます。
いくら使ってもいいから、とにかく授業中に理解して解ける状態にしてほしい。そのために必要な授業料はいくらでも払います。
みたいなパターンですね。
こういったパターンの場合には、その場で覚えられるだけ覚えてもらうのがいいので、対お金という意味でのコスパを考えずに、対時間という意味でのコスパを最優先してください。
中学受験などにはびっくりするくらい教育費を注ぎ込むご家庭が時々あって、毎日4時間ずつ塾で授業受けるみたいな生徒さん(児童)もいます。
そういった生徒さんには、とにかく時間コスパが良くなるような授業設計は何かを考えて授業をしてあげてください。
宿題をする暇があるくらいなら授業に来い、くらいのスタンスでもOKな単元は多いはずです。
まとめ
今回は生徒さんの実力を伸ばすための授業について、解説しました。
ここまで細かいことを書いていることはあまりないとは思いますが、一方で抽象的な内容になっていることは否めませんので、ぜひ読者の皆さんそれぞれが「自分と生徒さんの状況だったら?」と考え直してもらえればと思います。
そのきっかけになっていれば幸いです。
それではまた、所長でした!
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