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続いて、角度の新しい単位について勉強しておくこととしましょう。中学レベルの数学の範囲までで使っていた角度の測り方は度数法というものです。
例えば\(60^{\circ}\)とか\(45^{\circ}\)とかいった具合に表現をしていましたよね。緯度経度なんかはこれを使っています。
これから習うものは新しい単位rad(ラジアンという読み方)を使う弧度法です。
数学的にはこちらの弧度法を用いた方が様々な面で便利なんですよ。もしかしたら、マキノさんは何で新しい単位で計らなきゃいけないの?とか思ったかもしれませんけど、ここはグッと堪えて一旦受け入れてください。
重さの単位だって、キログラムを使う場面もあれば、ポンドを使う場面だってありますよね。単位というのは便利さとか、慣習的なもので、使い分けをするんですよね。数学と物理では弧度法の方が便利だから、ここで習って使いこなせるようになるのが大事です。
この節以降は、角度は弧度法で定義しているものとするので、ここで置いていかれないようにしてくださいね。
さてさて、脅かしてみましたけど、弧度法で用いるradという単位の定義は簡単で、以下のようなものです。
定義
360^{\circ}=2\pi[rad]
\end{align}
の比を固定して、各角度を定義する。radという単位は普通は表記しない。
なにはともあれ例を一度見ていただいて、その後問題で慣れていくのが一番です。
例
\(90^{\circ}\)を弧度法で表すと何rad.か
\(360^{\circ}\)が\(2\pi\)なのだから、度数法から弧度法に直すには\(360\)で割って\(2\pi\)をかけておけばいいわけです。
よって、
90^{\circ}=90\times\frac{2\pi}{360}=\frac{\pi}{2}
\end{align}
と計算できます。
慣れるためには以下のような考え方ができるとよい。
1周(\(360^{\circ}\))が\(2\pi\)。\(90^{\circ}\)は\(1/4\)周なので、\(2\pi\)に\(1/4\)をかけれオッケーです。
この考え方では1周の何割か、というのを基準にしましたけど、半周を\(\pi\)だと思ってそれを基準に考えても構いません。
あとはとにかく慣れですね。
問題
以下の度数法で表された角度を弧度法に直せ。
&1.\quad30^{\circ}\quad 2.\quad 45^{\circ}\quad 3.\quad 60^{\circ}\quad 4.\quad 120^{\circ}\quad 5.\quad 135^{\circ}\\
&6.\quad150^{\circ}\quad 7.\quad 180^{\circ}\quad 8.\quad 210^{\circ}\quad 9.\quad 225^{\circ}\quad 10.\quad 240^{\circ}\\
&11.\quad270^{\circ}\quad 12.\quad 300^{\circ}\quad 13.\quad 315^{\circ}\quad 14.\quad 330^{\circ}
\end{align}
解答
&1.\quad\frac{\pi}{6}\quad 2.\quad \frac{\pi}{4}\quad 3.\quad \frac{\pi}{3}\quad 4.\quad\frac{2\pi}{3}\quad 5.\quad \frac{3\pi}{4}\\
&6.\quad\frac{5\pi}{6}\quad 7.\quad \pi\quad 8.\quad \frac{7\pi}{6}\quad 9.\quad\frac{5\pi}{4}\quad 10.\quad \frac{4\pi}{3}\\
&11.\quad\frac{3\pi}{2}\quad 12.\quad \frac{5\pi}{3}\quad 13.\quad \frac{7\pi}{4}\quad 14.\quad\frac{11\pi}{6}
\end{align}
関連リンク
>>YouTubeで使用可能な数学と物理の参考書「アラサー高校物理」