大学受験関連

【教え方の教科書】常に宿題を意識した授業、授業を意識した宿題

こちらは【教え方の教科書】の中の1記事になっています。

今回は授業と宿題の関係性について詳しく説明しています。

生徒さんを合格に少しでも近づけるためには、授業時間の充実よりも自習時間の充実の方が圧倒的に大事というのが私の考えです。そのためには授業はその場限りのものではなく、自習が充実すべきものでなくてはなりません。

それはもちろん宿題が充実すべきと言う風に読み替えることもできますから、授業は常に宿題を意識したものにすべきなのです。逆に授業を充実させるために宿題を事前に仕込んでおくことも知識の定着には重要であったりします。

以下詳しく解説していきます。

宿題と授業の関係性で押さえておかなければならないポイント4つ!!!

宿題と授業の関係性で押さえておかなければならないポイントは以下の4つです。

宿題と授業の関係性ポイント
  • 答えの読み方を教える
  • 授業のための宿題を入れる
  • 新単元を教えるときと既習範囲を教えるときの授業の差
  • 宿題解説では答えを残さない

それぞれ以下で詳しく解説していきます。

答えの読み方を教えるべき!!

ものすごく宿題をしっかりこなしてくれるけど、バツばっかりの生徒さん、よくいらっしゃいます。

こうした生徒さんの授業で最初から最後までずっとバツの問題の解説をしていると、いつか追いつかなくなる日が来るかもしれません。解説が追いついていないまま次の週に新しい単元を進めて、よりバツの割合が増えるかもしれません。

この進め方ではいつか授業が成立しなくなります。ではどうするか。

まずは「答えの読み方」を教える必要があります。

答えなんて読むだけでは?と思っていらっしゃる方、全く違います。英語の長文を例に、「丸つけ」と一口に終わらせてしまう部分を分解して見てみましょう。

まず、解き切った問題に丸バツをつけます。そして、バツだった問題の解説を読みます。ここまでは誰だってやります。が、それで終わりでいいのでしょうか?

放っておくと、文章全体を和訳を眺めながら読んでみるという基本的なことすらしない可能性は十分にあります。

読めなかった部分は構文が取れていなかったのか、単語の意味が分かっていなかったのか、それとも文章の流れが理解できていなかったのか、何も把握しないまま次の長文問題に進むかもしれません。正解していた問題のうち半分は勘で正解していただけかもしれません。

逆により進んだやり方をマスターしている生徒は、単語は必ず辞書で調べてノートにまとめて、CD音源に合わせて音読をしていたりシャドーイングやリピーティング、ディクテーションまでしているかもしれません。そこまでいくと今度は逆にやり過ぎていて効率が悪くなっている可能性もあります。

答え合わせの指導(長文の例)

不十分な場合

  • 構文を取っていない
  • 単語の意味を調べていない
  • 文章全体で言いたいことを把握していない
  • 問題になっていた部分だけ読んでいる

十分すぎる場合

  • 辞書で調べた単語は例文まで含めて複数色を使ってノートにまとめている
  • 暗記するまで音読している(場合によっては可)

一口に「丸つけ」と言っても幅はこれだけあります。

生徒さんの現状と、受験までの残り日数を考えて、答え合わせでどこまでやらせるのが適切なのか必ず吟味し、

それを適切に指示しましょう。

特に、解説を読んでも分からなかった部分をどう処理するのかはかなり勉強時間に差が出てくる部分です。

自分でどこまで調べてもらうのか、あるいは残り時間の観点から講師にすべて頼ってもらう形にするのか、必ずハッキリさせておいてください。

また指示しただけではいずれ元の勉強法に戻ってしまっていますので、必ず毎週勉強法については正しい方向で進んでいるか確認しましょう。

今週の授業を意識した宿題を出せているか?

逆に授業を意識して宿題を出せているでしょうか??

たとえば来週の授業で、数3の積分を扱うという予定が決まっているのであれば、今週の授業で積分の計算を一通りまとめるだけでなく、数2で習う基本的な積分の問題を宿題に出す方が効率が良いでしょう。そのためには今週の授業で軽く数2の積分にも触れておいた方がいいかもしれません。

授業を意識した宿題(数学の例)

来週の授業が数3の積分のときの宿題例

  • 数3の微分の計算の問題
  • 数2の積分の計算の問題
  • 数2の面積などの問題

長文を指導することが決まっているのであれば、先に語彙だけは宿題として覚えてきてもらうといったものすごく簡単な所から始めても構いません。

授業のための宿題、宿題のための授業と、両方の側面からより効率的な進め方をするべきです。

そのためには、各単元のつながりを意識しなければなりません。これから教える単元を理解するためには何を理解していなければならないのか把握してから授業に臨む必要があります。

新単元を教えるときと既習単元を教えるときの差

授業は大きく新単元の解説と、既習単元の解説という2種類で分類してみることができます。

それぞれ教えるときには違った発想で授業を進める方が自習の効率がグッと上がりますので、それを解説していきます。

新単元の授業のとき

未修単元を授業で扱うときには、細かい部分まで全て教えていては宿題で解ける内容が少なくなってしまう可能性があります。

とにかく最短で骨格部分を教えるようにしましょう。枝葉の部分は宿題で取り組んでもらった後に宿題解説の中で扱う方が圧倒的に効率的です。

新単元解説のとき
  • 骨格部分を最短で教える↓
  • 宿題に取り組んでもらう↓
  • 前回教えきれなかった部分の補足をしながら宿題解説

できるだけ教えることを絞って教えてあげた方が新しい概念は短時間で定着します。同じことを何度も言うようにして、必ず覚えて帰ってほしい概念だけ集中的に教えることにしましょう。

その結果として、宿題で解ける内容は増えます。解ける内容が増えると生徒さんのモチベーションにもつながりますから、その回の宿題で解ける内容が最大化されるように意識して授業を進めるという風に言い換えても大丈夫です。

慣れていないテキストを扱うときには、事前に宿題にするであろう部分に目を通して、どこを省いて教えるかをイメージしてください。

大事なのはどこを省くかです。

既習単元の授業のとき

一通りその科目を習い終わっている場合には今度は細かいところや、繋がりのある他の単元にも気を配って解説してそれを宿題にするようにします。

長文の解説をしているからと言って、理解できていなさそうな文法項目をパスしてしまうわけにはいきません。

講師が教えるというのは、生徒さんだけであったらパスしてしまうであろう些事にも目を光らせて、必要とあらばその解説をするという行為も含まれています。

そして、その授業で解説するだけではダメです。

理解が足りない部分については宿題にしなければなりません。何のテキストから宿題を選ぶのかを意識しつつ、足りない部分の解説をしてあげましょう。

足りない部分を宿題にするのですから、その宿題も授業中に解ける状態に持っていってあげないと自習は宿題解説で授業時間がオーバーしてしまいます。

生徒さんの中には復習はあまり手が進まないという方が多いですので、少しでも多く解ける状態を作っておいてあげるとモチベーションも下がりにくいです。

宿題解説で答えをノートに残さない!

宿題の解説を授業中に行うことも多いことでしょう。解説中は出来る限り答えをノートに残さないようにしましょう。

答えを残してしまうとバツ直しの際に答えを見て納得して移して終わりになってしまう生徒さんも多いです。

覚えるだけのような英語の問題も、計算が必須な数学の問題も、基本的には答えは残さずヒントをノートに残していきます。

ヒントがあっても解けなかった問題はまだ理解していない問題なわけですから、もう一度授業で取り上げるしかありません。

むしろそういった個別のチューニングができる部分に個別指導のメリットがありますから、答えを残してしまうことで、このメリットを潰す必要はどこにもありません。

「ここまでいったら、あとは自分の力で解けそうな顔をしているから、あとは宿題にして、次の問題にいくね」

という風に答えを書かないだけでなく、必要な部分を解説しきって大丈夫そうな顔をしていたら、次の問題に移ればいいです。

答えを書いている時間もただただ計算をしているだけの時間も正直無駄な時間です。その時間を全てカットすれば、他に2問3問解説してあげることができるかもしれないのですから、生徒さんだけの力で出来る部分は講師がいないところでやってもらいましょう。

まとめ

今回は宿題と授業の関係性について解説しました。

宿題と授業の関係性について
  • 答えの読み方を教える
  • 授業のための宿題を入れる
  • 新単元を教えるときと既習範囲を教えるときの授業の差
  • 宿題解説では答えを残さない

これらが非常に重要になります。

以下の記事に続きもまとめてありますので、ぜひ他の記事もご覧ください。