こちらは【教え方の教科書】の中の1記事になっています。
今回は勉強法と勉強時間について詳しく説明しています。
生徒さんを合格に少しでも近づけるためには、授業時間の充実よりも自習時間の充実の方が圧倒的に大事というのが私の考えです。
ということは、生徒さんの勉強法と勉強時間については、各科目各単元の内容を扱うよりも重要度が高いということです。どんなことを指導に組み込んでいくべきでしょうか。
勉強法と勉強時間で指導に組み込むべきものはこの3つ!!!
早速答えからです。
勉強法と勉強時間についての指導として取り組むべきものは以下の3つです。
- 教材の使い方についての指導
- 全体的な勉強法についての指導
- 勉強時間の改善についての指導
それなりに偏差値の高い大学に独学メインで合格する方は自分で気づいて自分で改善していく内容を、私たち講師は丁寧に指導していく必要があります。
この3つについて以下で詳細に説明していきましょう!
教材の使い方についての指導
自習をどれだけ効率の良いものにするか、無駄のないものにするかは非常に重要です。
そのためにはただただ「あれをやっておくように」「これをやっておくように」と言うだけではダメです。どの教材を「どう」やっておくのか、を伝えることは避けては通れません。
新人講師にはイメージが湧かないかもしれませんが、英単語1つ調べるにしても、放っておくと生徒さんは色んな手段をとります。「単語帳で調べる人」、「電子辞書で調べる人」、「スマホで調べる人」、さらには「第一語義だけを調べる人」、「品詞だけは意識している人」、「他の意味や例文も調べている人」、さらには、「ノートにまとめる人」、「まとめたものを暗記する時間を取っている人」、「電子辞書の付箋やマーカー機能を使っている人」、「カードを作る人」、、、
- 単語帳で調べる
- 電子辞書で調べる
- スマホで調べる
- 第一語義だけ調べる
- 品詞も意識して調べる
- 例文や他の意味についても調べる
- 調べたものをノートにまとめる
- 暗記する時間を取っている
- 電子辞書の付箋機能マーカー機能を使う
これだけ色んなパターンがあるなか、「単語も調べておいて」と指示するだけでは得られる結果は全く変わってきます。これに先手を打てるようにならないと一人前とは言えません。こうした勉強法の指導も講師の1つの大きな仕事です。
単語を例にとったからという風に思ってはなりません。現代文の解説だって、「要約や出典は読まない」「間違えた問題の所だけ読む」「漢字はパスする」などなど、放っておくと少しでも楽な方向へ進んでしまうのが一般的な受験生です。数学もたまたま正解していただけの問題の解説を読み飛ばしている可能性は高いです。
ここで重要なのは丁寧なら全てOKというわけではありません。時間がかかりすぎている勉強法がいつでも正義ではありません。ノートに様々な色のペンを使って綺麗にまとめる時間があるなら少しでも暗記の時間に使った方が上手くいくことも多いです。
新しい教材に入る前には確実に勉強法、使い方について説明する時間を取りましょう。ちなみに1回の説明ではその指導通りに勉強をして来ないことがほとんどですので、勉強法は2回3回指導するものと思っておいてください。
全体的な勉強法についての指導
教材の使い方を指導するだけではこれまた不十分です。
例えば、1時間かけてAという課題をすること、そしてその進め方が宿題として決まっていても、生徒さんによって全く違った結果が得られます。
Aの前半の方だけキッチリできていたり、Aは全てやり切っているけどそのせいで他の科目の勉強時間が減っていたり、音楽を聴きながらだったから集中できていなかったり、ウトウトしていて集中できていなかったり、
- 前半の方「だけ」キッチリできている
- 1つの課題は全てやり切っているが他の科目の勉強時間が減っている
- 音楽を聴きながらで集中できていない
- ウトウトしていて集中できていない
勉強法は教材の使い方だけではなく、時間の使い方や集中力を上げる方法など、多岐に渡ります。
一度に全てを指摘することは不可能ですし、講師が提案した勉強法も生徒さんによって合う合わないがありますから、少しずつ自習の効率が良くなるように改善案を提案しては検証していきましょう。
勉強時間の改善についての指導
勉強法を指導するには、そもそも色んな勉強法を試すための十分な勉強時間が必要になることも多いです。
1日1時間程度しか勉強しない生徒さんはそもそも勉強法の改善の前に勉強時間を増やさないと改善することもできません。
ですから、勉強時間についても十分かどうかは判断しなければなりません。
高校生なら1日14時間くらいまでなら勉強できるようになる生徒さんがほとんどです。
講師の皆さんの中にはそれほど勉強したことのない方もいらっしゃるでしょうから、ご自身の感覚で限界を決めてしまっている方も時々いらっしゃいますが、色んな生徒さんを担当してみた結果としての14時間は覚えておくといいと思います。
大事なのは、講師の皆さんが生徒さんの限界を決めつけないことです。講師の皆さんが毎日10時間の勉強はしんどいよねー、なんて言ってしまうと生徒さんはそれ以上の勉強をすることは絶対にありません。
時間じゃなくて密度だ!とおっしゃる方もよくいらっしゃいますが、どれだけ密度を上げても量を稼がないと受からない状態からスタートする生徒さんは非常に多いですので、そういう風な考え方を持っていらっしゃる方はまず、計画を丁寧に立てて必要な勉強時間を計算してみましょう。
今の生徒さんの志望校合格までの距離を考えて時間より密度だと言い切れる場合には時間についてはさほど強く指導する必要はありません。そうでない場合には時間についても指導が必要です。
もちろん最初から14時間も勉強できる方はほとんどいらっしゃいませんが、徐々に伸ばしていった結果として到達できる方は多いです。
正直なところを計算してみると、それでも足りない方は割といらっしゃいます。計算してみた段階でどう頑張っても合格が無理そうな生徒さんでも14時間くらいコンスタントに勉強できる生徒さんは、その計算もひっくり返して来ますので、そういった希望も生徒さんには伝えつつ、勉強時間を伸ばすための案は提案し続けましょう。
それなりにモチベーションのある生徒さんなら、無駄なことに使っている時間と休憩時間を減らせばかなり勉強時間は稼げます。
モチベーションが低い生徒さんは色々試した結果として、それでも変わらなければ保護者の方も巻き込みましょう。
新人講師ほど、保護者の方とのコミュニケーションが下手で連携が取れないということもよくありますが、これも練習しないといつまで経っても進歩しません。積極的にコミュニケーションを取るだけでも信頼していただける講師になっていきますから、下手でも気にせずコミュニケーションを取っていきましょう。
まとめ
今回は勉強法と勉強時間の指導について解説しました。
- 教材の使い方についての指導
- 全体的な勉強法についての指導
- 勉強時間の改善についての指導
これらが非常に重要になります。
以下の記事に続きもまとめてありますので、ぜひ他の記事もご覧ください。