(※数式が見切れている場合は横スクロールしてください。)
不定積分に続いて定積分です。不定積分のときには「定数の不定性が残るから不定積分」という名前なんだよという話でした。ということは、定積分はその不定性がないということですね。
定積分についてはまずは定義を覚えて計算ができるようになってもらいましょう。その後に定積分のイメージを学習すしておくと定着しやすいかなと考えてその順で議論していきます。
定義
関数\(f\)の不定積分が以下のようになるとき、
\int f(x)dx=F(x)+C
\end{align}
ここで定義した\(F\)を用いて定積分は以下のように定義する。
\int^{\alpha}_{\beta}f(x)dx=F(\alpha)-F(\beta)
\end{align}
この\(F(x)\)を原始関数といい、\(\alpha\)から\(\beta\)の幅を積分区間という。
計算過程でも新たな記号が出てくるので、その使い方の説明もかねて、一つ例題を解説することにしますね。
例
以下の定積分を計算せよ。
\int^3_1(2x-3)dx
\end{align}
定義通り計算するためには、まず不定積分を行って、原始関数を求める必要があります。原始関数は前の節でも散々扱った不定積分をするだけなので、次のように求められます。
\int(2x-3)dx=x^2-3x+C
\end{align}
さてこの\(C\)以外の部分のことを原始関数と呼びます。これを用いて定義通り定積分を実行すると以下のようになりますね。
\int(2x-3)dx=(3^2-3\cdot3)-(1^2-3\cdot1)=2
\end{align}
このように計算できるわけです。答えとしてはこれで合っているのですが、毎回毎回不定積分はこれで、これを使って計算すると、、、と言葉を書いていると面倒なので、以下のような記号を導入して計算を進めることが一般的です。
&\int(2x-3)dx=\left[x^2-3x\right]^3_1\\
=&(3^2-3\cdot3)-(1^2-3\cdot1)=2
\end{align}
最初の等号のすぐ後に出てきた[ ]によって原始関数を挟んでやって、積分区間はそのまま[ ]の右端に引き継ぎます。
あとは積分区間の上端(今の場合は\(3\))を原始関数に代入したものから、下端(今の場合は\(1\))を原始関数に代入したものを引き算して、定積分の値を求めます。
長々説明しましたけど、やはり何はともあれ慣れるためには問題を解くことですので、以下の問題にチャレンジしてください。
問題
以下の定積分を計算せよ。
&1.\quad\int^4_2(x^3+x)dx\\
&2.\quad\int^6_0(x^2+2)dx
\end{align}
解答
&1.\quad\int^4_2(x^3+x)dx\\
&=\left[\frac{1}{4}x^4+\frac{1}{2}x^2\right]^4_2\\
&=\left(\frac{1}{4}\cdot4^4+\frac{1}{2}\cdot2^2\right)-\left(\frac{1}{4}\cdot2^4+\frac{1}{2}\cdot2^2\right)\\
&=64+8-4-2=66\\
&2.\quad\int^6_0(x^2+2)dx\\
&=\left[\frac{1}{3}x^3+2x\right]^6_0\\
&=\left(\frac{1}{3}\cdot6^3+2\cdot6\right)-\left(\frac{1}{3}\cdot0^3+2\cdot0\right)\\
&=72+12=84
\end{align}
改めて実際に定積分の計算をしてみると、原始関数に値を代入したものの引き算として表されるので、最終的に不定性は残りません。
本当はもう少し問題を解いて慣れておいた方がいいので、余裕のある方は問題集の方もチャレンジしてみてください。
微分は瞬間の変化を表すものというイメージを解説しました。積分も同様にイメージをつかんでおいた方が今後の学習が捗るはずですので、次は積分のイメージを解説することにしましょう。
関連リンク
>>YouTubeで使用可能な数学と物理の参考書「アラサー高校物理」