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ここまで学習されたマキノさんにとっては今さら感もあるでしょうが、絶対値の復習をはさんでおきましょう。
もしかしたら、中学レベルの数学でしっかり勉強しているかもしれませんが、それでもここでやっておいて損はないでしょう。
まず、絶対値というのは数直線上での原点からの距離だと思えばいいです。
例えば、\(+2\)と\(-2\)は数直線上では原点からの距離は同じですね。
ですから、絶対値記号\(||\)を使って表現すると
&\left|+2\right|=2\\
&\left|-2\right|=2\\
\end{align}
です。
ポイントは絶対値記号の中身が正の時は、そのまま絶対値を外してOK。中身が負の時はマイナスをつけて外してやるということです。
\left|-2\right|=-(-2)=2
\end{align}
みたいな具合になるので、中身の正負に着目すれば余裕です。
まずはこの具体的な数値のときの絶対値記号に慣れましょう。
問題
絶対値記号の中身の正負に注意して絶対値記号を外せ。
&1.\quad\left|3\right|\\
&2.\quad\left|1.2-\sqrt{2}\right|\\
&3.\quad\left|x\right|\\
&4.\quad\left|x-1\right|\\
\end{align}
ただし、3問目と4問目は場合分けした形で解答すること。
解答
1.
最初の問題は答えだけでいいですね。
\left|3\right|=3
\end{align}
2.
次の問題は\(1.2\)と\(\sqrt{2}\)の大小が重要です。
\(\sqrt{2}=1.414\cdots\)なので、
\left|1.2-\sqrt{2}\right|=\sqrt{2}-1.2
\end{align}
となります。絶対値の中身は負なので、マイナス符号をつけて外します。
3.
さて文字が入った場合には場合分けして答える必要があります。
とはいえ、この問題は簡単ですね。ルールを文字で説明しろということですからね。
\left|x\right|=\begin{cases}x\quad(x\geq 0)\\
-x\quad(x\leq 0)\end{cases}
\end{align}
場合分けの等号記号は片方だけについていても両方についていても問題ありません。ゼロの時はマイナスが付こうがつきまいがゼロなので。
4.
3問目を少しだけひねった問題です。
絶対値の中身の正負を考えるのは、すなわち\(x\)と\(1\)の大小を考えるのと同じになっています。
\left|x-1\right|=\begin{cases}x-1\quad(x\geq 1)\\
-x+1\quad(x\leq 1)\end{cases}
\end{align}
最後に平方根を外すときに絶対値を使うと便利なことを見ておきましょう。
例えば、
\sqrt{4}=2
\end{align}
は暗算で問題ないと思います。でもこのように書かれていると間違う方も多いのではないでしょうか?
\sqrt{(-2)^2}=2
\end{align}
左辺の平方根の中身は先ほどと同じ\(4\)なので、ルートを外すときには符号に騙されないようにする必要があります。
ですが、絶対値を付けて外すというルールにしておくと一気に間違いが減ります。
例えば、
\sqrt{(-2)^2}=\left|-2\right|=2
\end{align}
のような形です。
つまり平方根の中身が2乗の形になっていたら、絶対値を付けて外すというルールで覚えておけということです。
というわけで問題を解いておきましょう。
問題
平方根の記号を外せ。
&1.\quad\sqrt{3^2}\\
&2.\quad\sqrt{(1.2-\sqrt{2})^2}\\
&3.\quad\sqrt{x^2}\\
&4.\quad\sqrt{(x-1)^2}\\
\end{align}
この問題の解答は先ほどの問題の解答と全く同じになるので省略します。
関連リンク
>>YouTubeで使用可能な数学と物理の参考書「アラサー高校物理」