ども、所長です!
今回はタイトル通り、今年度の大学受験におけるコロナウイルスの影響について解説しておこうと思います。
こちらの記事をお読みいただくと
- 高校の授業始まってないけど、受験勉強に影響ないの?あるとしたらどんな影響?
- 今年度は大学受験生だし、学校が休みってなんか不安。。。何かしておくべきことはある??
こういった疑問が解消できます。
目次
この記事の著者
この記事を書いているのは東大出身の個別指導塾講師です。大学受験生は100人単位で担当してきていまして、大学受験のプロです。
専門は物理で、最近はYouTubeにて高校物理の解説動画や大学レベルの授業動画をアップしています。
受験勉強への悪影響(浪人生が有利ってほんと?)
私は、ウイルスに詳しいわけでもないですし、大学の運営にも詳しくないわけですから、受験勉強に関係するであろうことだけを集中的にまとめておきます。
ちなみに今年度の受験はまず圧倒的に浪人生が有利な状況になることは間違いありません。
そのあたりを詳しく解説するためにいくつかの問題点を最初にまとめておきます。
未習範囲が終わるのが休校した分だけ遅れる
今回のコロナウイルスの影響で、一番受験的な意味でダメージを食らうのは、「新単元解説が遅れる」という部分です。
私の専門は物理ですから、物理や数学をメインに説明していきます。
例年、理系の受験生に関しては、「いつ数3を習い終わるのか」「いつ物理、化学を習い終わるのか」が受験に大きな影響を及ぼします。少し丁寧に解説しましょう。
まず、超進学校と言われている一部の高校では、高2の間に高校生が習うべき全ての内容を習い終わり、残りの時間で大学受験用の問題演習をしています。
一方で多くの学校では、「夏休み前までになんとか終わらせる」「夏休み後になるが出来る限り急いで終わらせる」こういった状況です。
地方の公立校なんかだと高3の10月になっても大学受験に必要な内容をまだ習い終わっていないということも多いです。
こういった高校に通われている方に関して言えば、超進学校に通う同学年の方と比べると半年以上、問題演習に使うことのできる時間が違いますから、そういった意味で例年「未習範囲はいつ全て習い終わるのか」は大学受験において非常に重要なファクターになっています。
- 浪人生 : 4月から全て習い終わった状態で問題演習に集中
- 現役生(超進学校) : 4月から全て習い終わった状態で問題演習に集中
- 現役生(一般的な高校) : 習い終わるのが例年よりもさらに遅れる
これは理系の方が文系と比べて深刻であることがほとんどですが、とはいえ、文系でも浪人生と差が付きやすい社会科目に関しては、同じ状況になっていることが受験業界ではよく知られています。
勉強慣れしていない状態での休み
今回の休校騒ぎが始まるのが、たとえば夏休み後であれば少し現役生と浪人生の有利不利に関しては状況が緩和されたかもしれません。
次に注目したいのは「勉強慣れ」です。
多くの現役生は、GWあたりで「思ったよりも受験勉強できなかったなあ」と焦り、夏休み前半で「あれもっと勉強しているはずだったのに」と失敗をくりかえし、ようやく夏休み後半くらいから受験生らしい勉強ができるようになってきます。
※もっと受験生らしくなるのが遅い方は迷わず浪人or志望校の偏差値を下げるコースです。
この「勉強慣れ」をしていない状態で休校になるのと、「勉強慣れ」している状態で休校になるのでは全く状況が変わります。
浪人生は仮に予備校も休校になったとしてもある程度自宅学習は出来る状態で、1日10時間勉強するような方も大勢いらっしゃる一方で、
現役生は学校での授業が6から7時間減るとそのまま丸っと勉強時間が減ってしまい、浪人生と1日あたり6時間から7時間の差が出来るというのは普通に起こり得るわけです。
- 浪人生 : 予備校+自習で10時間→自習で10時間
- 現役生 : 学校+自習で10時間→自習で3時間
※ちなみにこの程度の差で収まるなら良い方で、1日あたりの勉強時間の差はこの程度では収まらないことをベテラン塾講師なら全員が知っています。
現役生が取るべき対策
ここまでを読んでくださった方の中には
「ヤバイじゃん!じゃあ勉強しなきゃ」
と言って心を入れ替えた所くらいでは、すぐに勉強を始めることが出来ない方が多いと思います。
理由は簡単で「何から手を付けていいか分からないから」です。
「とりあえず単語帳でも勉強しておくか」は絶対ダメ!まずは調べることから!
こうやって急かされるとまず始めに出てくるのが、
「とりあえず単語帳でも勉強しておくか」
と始める受験生です。
これは本当に最悪です。理由は2つあります。
単語帳だけで学校と同じ時間だけ勉強出来る人はまずいない
1つ目は単語帳だけを勉強して、学校で勉強している時間(6時間とか7時間とか)と同じだけ勉強を続けられる人はまずいません。
途中で眠くなるか、途中で飽きるか
必ずどちらかに陥ります。
だから単語帳をとりあえずやるという発想はやめておきましょう。
「でも、単語帳以外なにやればいいんだろう?」
ってなる方も非常に多いと思います。
志望校に受かるために必要な学力がどれくらいか調べる
まず絶対にやらなければならないことは調べることです。
- 志望校を決める
- 志望校に受かるために必要な学力(各科目)を調べる
志望校が決まっていない人はどこを受験するのか、休校のうちに決めておきましょう。
志望校が決まった頃には、もう物理的に間に合わないくらい学力差があるっていう方が例年大勢いらっしゃいます。
次に志望校に受かるために必要な学力を調べましょう。
どんな参考書ができるようになっておけばいいのかは「(大学名) (科目名) 参考書」と入力してググればすぐにいくつもの記事が出てきます。
検索結果の上から順に10記事くらい目を通せば、だいたいこういった参考書を使って先輩たちは勉強したんだなということが何となくでも分かります。
※検索結果の1番上に出てくる記事だけを見て鵜呑みにする人は受験で大抵失敗するので、この機会にやめましょう。
模試・定期テストの復習から
志望校に必要な学力は何となく調べて分かったけど、「外出自粛の雰囲気の中、本屋に行って参考書を見比べるのもちょっとなあ」という方は、ひとまず模試や定期テストの復習からしましょう。
これなら大きく損をすることはありません。
模試や定期テストの学習は非常に重要なのですが、復習をまともにやっている人はほぼゼロです。
簡単に復習の手順を見ておきましょう。
- 時間制限がなければ解ける問題が増えるかどうか調べる(スピードが足りないのか、学力が足りないのか調べる)
- 解説を余すところなく全て読む
- 類題を解く
正直、このうちの1つも出来ていない方の方が多いことと思います。
スピードがないから解けないのか、学力が足りないから解けないのかの判断さえせずに、結果だけを受け入れているのは後々の勉強を考えたときに圧倒的に非効率です。
スピードが足りないだけであれば、それほど気にせずとも先に進みつつ、普段からスピード感に注意すればいいだけですし、
学力が足りないなら類題はちゃんと解いて、間違えた問題を身に付けておく必要があります。
「解説を余すところなく読む」という作業一つとってもちゃんとやっている受験生はほぼいません。
間違った所くらいは確認している人がいますが、模試を運営している会社は解説に死ぬほど力を入れています。
なんなら、解説に一番力を入れています。
正解した問題でも、たまたま合っていたのかもしれませんし、解説を読むと別解を学ぶことができるかもしれません。
また国語や英語の読解系だと、多少知らない単語があっても問題は解けるわけですが、その単語が次の模試で、点数に直結するような問題になっている可能性は否定できません。
さらに類題を解くという作業はかなり手間がかかりますが、必ずやっておきたい作業です。
特に理系科目に関しては類題を解かないと正直、復習の意味が全くないと言っても過言ではありません。
その問題と全く同じ形で出題されることはほぼほぼないわけですから、少し形が変わっても解けるのかの確認は絶対に必要です。
ここで解説した内容は受験勉強の基本的なスタンスとして覚えておくべきことですが、これ以外にも知っておくべきことは様々あります。
大学受験のプロが書いた全ての受験生に役立つ情報をまとめた有料級の無料記事です。
>>【親・保護者向け情報】スタディサプリで高校物理の独学は可能??
保護者の方向けにはこちらの記事もおすすめです。物理だけでなくスタディサプリという映像授業がどういったものなのかを判断いただけると思います。
CM
志望校に必要な学力を調べてみた結果、「このままじゃ絶対に間に合わない説」が出てきた方、
「調べてみたけど、結局自分に必要なものを組み立てるの難しすぎない?」と思った方は一度、プロに相談しておくことがおすすめです。
まとめ
今回はコロナウイルスが受験勉強にどのような影響を与えるかまとめてみました。
- 習い終わるのが遅くなる
- 勉強慣れしていないまま休校
こういった理屈から現役生より浪人生が圧倒的に有利です。現役生がやるべきことは
- 志望校を決める&必要な学力を調べる
- まずは模試や定期テストの復習から
となります。
受験生以外の方にも読めるこちらの記事もおすすめです。
今回はここまでです。それではまた、所長でした!