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科目別勉強法

慶應理工学部の物理の対策を東大出身塾講師が本気で解説【参考書のペースなど】

ども、所長です!

この記事では以下のような内容を本気でまとめています。

  • 6割(8割)を取るためには何をどういった順で勉強すればいいの?
  • 慶應大の物理の出題傾向は?
  • 微積物理って必要?

この記事の著者

この記事を書いている私は東大出身のベテラン塾講師です。

これまでに東工大や京大をはじめとする難関大合格者を指導する機会も多くありましたので、その経験をもとにこちらの記事を書いています。

最近はYouTubeにも私の専門分野の物理の動画も上げていますので、興味があればぜひご覧ください。

慶應大理工学部の物理とは

慶応理工の物理について簡単に説明しておきます。

  • 理科は二科目合わせて合計120分の試験時間
  • 物理は大問3問構成
  • 誘導は少な目なことが多い

試験時間は120分あっても2科目(物理と化学など)両方とも時間内に解かなくてはならないので、かなり時間的には厳しいです。

大問は3問構成ですが、2020には原子分野も出題されましたので、原子は出ないというわけではありません。

誘導は細かい所まではないので、暗記をしっかりして挑むのがいいかと思います。

合格最低点はおよそ6割を切るくらいですね。

※パスナビでご確認ください。>>慶應理工の合格最低点

しっかり暗記すべきところをしておけば短時間で6割くらいは取れるようになる問題構成です。

物理の戦略

慶應大に受かるような方でしたら、以下の2つのパターンだけ示しておけば、他の点数を狙っている方も参考にして自分なりに戦略を立てられると思いますので、そのつもりで続きを書いていきます。

  1. 6割を目指す場合(パターン1)
  2. 8割を目指す場合(パターン2)

物理で6割を目指す場合(パターン1)

6割を狙う場合には次のような流れになります。

  1. セミナーなどを通して基本の問題を解けるようになる(高3の夏休み前まで)
  2. 重要問題集などを通して応用の問題を解けるようになる(高3の11月中まで)
  3. 過去問演習をする

「など」の部分を詳しく知りたいという方も多いと思いまので、詳しく説明していきます。

セミナーなどで基本問題

この基本部分に関しては、使う参考書は例として3つあげるとすると

  1. 「セミナー」や「エクセル」などの学校採用問題集
  2. 「物理のエッセンス」&「良問の風」の河合出版の問題集
  3. 「入門問題精講」&「基礎問題精講」の旺文社の問題集

どれを選んでやっていっても問題ありませんが、詳しくはこちら↓に書いていますので、そちらをご覧ください。

そして、重要なのはいつまでにできるようになっておけばいいの?という所です。

この基本問題を解けるようになる部分は慶應理工志望の場合は高3の夏休み前にはクリアしておきたい所です。

「いやいや、習い終わっていない部分も結構あるんだけど…」

っていう方もかなりの数いらっしゃるとは思いますが、一方で高2の間に高校物理の範囲を習い終える生徒さんもかなりの数いらっしゃいますから、そのトップ集団と勝負しなければならないことをちゃんと自覚しておきましょう。

そういった方々からするとこの目安でも遅いくらいです。

もちろん最終的に帳尻が合えば問題ないわけですから、やり方としては2パターンあって、

  1. 学校を無視して、自分のペースで先々まで勉強を進める
  2. 学校で習った所は次のレベルまで先に進んでおく

です。1つ目を選ぶ場合は、映像授業などで勉強するか、塾や家庭教師などで個別の授業をお願いするかになると思います。

重要問題集などで応用問題

簡単のために敢えて応用問題という言い方をしていますが、ようは難しめの問題集にもチャレンジしておこうという話です。

これは王道としては2パターン学習ルートがあって、

  1. 「重要問題集」
  2. 「名問の森」

となります。

 

どちらを選んだとしても、

◎:自力で解けた
〇:凡ミス程度
△:解答を見て理解した
×:解答を見ても理解できなかった

という印を問題ごとに付けつつ進んで、全て◎にしたところで終了となります。

ここまでを高3の11月中には終えておきたい所です。

重問と名問の比較に関してはこちら↓に詳しくまとめています。

過去問演習

過去問演習については

「何年分やればいいんですか?」

という質問が一番多い気がします。もちろん人によって全く違うに決まっているのですが、そうは言っても一般的な目安くらい教えてくれてもってなると思います。

私が担当している生徒が6割を狙っているのであれば、10年分は過去問演習をさせます。

 

※慶應大は古本の赤本も割と出回っていると思うので、最新版だけで年度数が足りなくともそれほど困らないと思います。

慶應大に関しては誘導少な目の重めな問題が出されるので過去問対策が重要です。

9月から10月くらいに5年分くらいチャレンジできていると後の勉強のスタンスが自分なりに作りやすいはずですから、挑戦してみてください。

※夏休み中にはチャレンジしている受験生も多くいますので、これでも少し遅いくらいです。

ちなみに例年秋ごろに慶大模試が実施されていますから、そこで良い判定を取りたければ、それまでに過去問は最低でも5年分くらい解けている状態が必須です。

過去問演習のポイントはこちらになります。

  1. 時間を計って解く
  2. 時間無制限で解けるところが増えそうかペンの色を変えてチャレンジする
  3. 解説を全て読む(正解した問題も違う解き方がないかを意識する)
  4. 類題を問題集で解く

基本的にはこれを繰り返すことになります。

まず時間を計って解くのは絶対に守らなければならないルールです。

慶應大は物理と化学を時間内に両方チャレンジしないといけないですし、解ける問題が増えれば増えるほど時間が足りなくなるという新たな問題が発生します

短時間で正確に解けるようになるということも練習で身に付けばければいけない目標です。

次に時間無制限にしてみて、解ける範囲が増えそうかどうかの確認です。

「解くスピードが足りていないのか、時間がたりていないのか」の判断もできずに勉強を続けるのは賢い方法ではありません。

特に制限時間が厳しいわけですから、解ける問題なのに解けなかったのであれば、なぜもっと素早く解けなかったのかの分析も必要です

解説全てを読むのも当たり前ですが、実はこれが結構出来ていない人が多くて過去問をやっている意味が減っていたりします。

※物理よりも数学や英語でこの傾向が強くて全然成長しない人がいるので注意が必要です。

そして最も重要なのは「類題を解くこと」です。

余裕で解けた問題以外は全て類題を探して解く必要があります。

もし、一つ前の手順で使った問題集の問題は全て覚えちゃって類題を解く意味がないという方に関しては、他の参考書を使ってもいいです。

こちらに関しては類題を解くため専用の問題集として、全部をきっちり解く必要はありません。

特に、「熱力学」「波動」「原子」の分野に関してだけはとにかく類題を解くことが重要です。

というのも出題回数が少ないために演習量不足になっている方が多いからです。

その他(共通テストとか微積物理とか)

他に質問が出そうなことを先につぶしておきましょう。

まず共通テストについてですが、国公立大を受験するか否かで全く変わってきます。

慶應が第一志望の方は慶應の対策に集中すべきですが、そうでない方に関しては旧帝大レベル以上を目指していると思うので、具体的なことは各大学の対策を参考にしてください。

微積物理に関しては、6割が目標の方は完全に無視で構いません。受験で受かってから微積物理に関しては勉強すれば問題ありません。

正直、微積が理解できていた方が素早く解ける問題に関しても、理科の時間の短さが理由でパスすることがほとんどだと思います。

それからこの記事を見た時点で「ヤバイ、もう間に合わない」と思った方は後半の方にパターン2の方と合わせてコメントしているので最後までぜひ付き合ってください。

物理で8割を狙う場合(パターン2)

8割を狙う場合はおよそ次のような流れになります。

  1. セミナーなどを通して基本の問題を解けるようになる(高3GWまで)
  2. 重要問題集などを通して応用の問題を解けるようになる(高3夏休み中まで)
  3. 過去問演習をする

6割のときと、流れは同じなのですが、少し急いで準備しておくのが無難です。

セミナーなどで基本問題

この基本部分に関しては、使う参考書は例として3つあげるとすると

  1. 「セミナー」や「エクセル」などの学校採用問題集
  2. 「物理のエッセンス」&「良問の風」の河合出版の問題集
  3. 「入門問題精講」&「基礎問題精講」の旺文社の問題集

どれを選んでやっていっても問題ありませんが、詳しくはこちら↓に書いていますので、そちらをご覧ください。

そして、重要なのはいつまでにできるようになっておけばいいの?という所です。

この基本問題を解けるようになる部分は慶應大の物理で8割を取りたい方は高3のGW中にはクリアしておきたい所です。

「いやいや、習い終わっていない部分も結構あるんだけど…」

っていう方もかなりの数いらっしゃるとは思いますが、一方で高2の間に高校物理の範囲を習い終える生徒さんもかなりの数いらっしゃいますから、そのトップ集団と勝負しなければならないことをちゃんと自覚しておきましょう。

もちろん最終的に帳尻が合えば問題ないわけですから、やり方としては2パターンあって、

  1. 学校を無視して、自分のペースで先々まで勉強を進める
  2. 学校で習った所は次のレベルまで先に進んでおく

です。1つ目を選ぶ場合は、映像授業などで勉強するか、塾や家庭教師などで個別の授業をお願いするかになると思います。

重要問題集などで応用問題

簡単のために敢えて応用問題という言い方をしていますが、ようは難しめの問題集にもチャレンジしておこうという話です。

これは王道としては2パターン学習ルートがあって、

  1. 「重要問題集」
  2. 「名問の森」

となります。

 

どちらを選んだとしても、

◎:自力で解けた
〇:凡ミス程度
△:解答を見て理解した
×:解答を見ても理解できなかった

という印を問題ごとに付けつつ進んで、全て◎にしたところで終了となります。

ここまでを高3の夏休み中には終えておきたい所です。

6割を目指す人と違って、この後の勉強が少し重要になってくるので、早めに解いておきたい所です。

重問と名問の比較に関してはこちら↓に詳しくまとめています。

過去問演習

過去問演習については

「何年分やればいいんですか?」

という質問が一番多い気がします。もちろん人によって全く違うに決まっているのですが、そうは言っても一般的な目安くらい教えてくれてもってなると思います。

私が担当している生徒が8割を狙っているのであれば、15年分は過去問演習をさせます。

 

※慶應大は古本の赤本も割と出回っていると思うので、最新版だけで年度数が足りなくともそれほど困らないと思います。

慶應大に関しては誘導少な目の重めな問題が出されるので過去問対策が重要です。

9月中に5年分くらいチャレンジできていると後の勉強のスタンスが自分なりに作りやすいはずですから、挑戦してみてください。

※夏休み中にはチャレンジしている受験生も多くいますので、これでも少し遅いくらいです。

ちなみに例年秋ごろに慶大模試が実施されていますから、そこで良い判定を取りたければ、それまでに過去問は最低でも5年分くらい解けている状態が必須です。

過去問演習のポイントはこちらになります。

  1. 時間を計って解く
  2. 時間無制限で解けるところが増えそうかペンの色を変えてチャレンジする
  3. 解説を全て読む(正解した問題も違う解き方がないかを意識する)
  4. 類題を問題集で解く

基本的にはこれを繰り返すことになります。

まず時間を計って解くのは絶対に守らなければならないルールです。

慶應大は物理と化学を時間内に両方チャレンジしないといけないですし、解ける問題が増えれば増えるほど時間が足りなくなるという新たな問題が発生します

短時間で正確に解けるようになるということも練習で身に付けばければいけない目標です。

次に時間無制限にしてみて、解ける範囲が増えそうかどうかの確認です。

「解くスピードが足りていないのか、時間がたりていないのか」の判断もできずに勉強を続けるのは賢い方法ではありません。

特に制限時間が厳しいわけですから、解ける問題なのに解けなかったのであれば、なぜもっと素早く解けなかったのかの分析も必要です

解説全てを読むのも当たり前ですが、実はこれが結構出来ていない人が多くて過去問をやっている意味が減っていたりします。

※物理よりも数学や英語でこの傾向が強くて全然成長しない人がいるので注意が必要です。

そして最も重要なのは「類題を解くこと」です。

余裕で解けた問題以外は全て類題を探して解く必要があります。

もし、一つ前の手順で使った問題集の問題は全て覚えちゃって類題を解く意味がないという方に関しては、他の参考書を使ってもいいです。

こちらに関しては類題を解くため専用の問題集として、全部をきっちり解く必要はありません。

特に、「熱力学」「波動」「原子」の分野に関してだけはとにかく類題を解くことが重要です。

というのも出題回数が少ないために演習量不足になっている方が多いからです。

余裕がある場合には大阪、名古屋、東北、北海道大などの旧帝大の過去問にチャレンジしてみてもいいかもしれません。特に慶應大だけを目指している場合にはこれくらいは余裕を持って取り組むことができると思います。

その他(共通テストとか微積物理とか)

他に質問が出そうなことを先につぶしておきましょう。

まず共通テストについてですが、国公立大を受験するか否かで全く変わってきます。

慶應が第一志望の方は慶應の対策に集中すべきですが、そうでない方に関しては旧帝大レベル以上を目指していると思うので、具体的なことは各大学の対策を参考にしてください。

微積物理に関しては、8割が目標の方でも完全に無視で構いません。

もしどうしても不安な方は私がYouTubeに上げているハイレベル高校物理の再生リストだけサッとご覧いただければと思います。

それで正直十分すぎるくらいだと思います。(満点を目指す人でもこれで十分すぎます。)

これでも不安な方はもっと不安な科目はないか自分自身に問いかけるようにしてください。

受験で受かってから微積物理に関しては勉強すれば問題ありません。

 

それからこの記事を見た時点で「ヤバイ、もう間に合わない」と思った方は記事の後半の方にコメントしているので最後までぜひ付き合ってください。

慶應大理工学部の物理の出題分野

次に出題分野について少し丁寧にまとめておきましょう。

5年分遡って簡単にまとめておきます。

2020
問題 出題分野
1.力学 ばね、摩擦、分裂
2.電磁気 コイル、コンデンサ、相互インダクタンス
3.原子 電子回折、1次元量子井戸

 

2019
問題 出題分野
1.力学 二体問題、棒、モーメント
2.電磁気 導体棒、電磁誘導、コンデンサ、コイル
3.熱力学 気体の状態変化、浮力、断熱変化

 

2018
問題 出題分野
1.力学 単振動、衝突
2.電磁気 磁場中荷電粒子、ソレノイド
3.波動 ドップラー効果、うなり

 

2017
問題 出題分野
1.力学 万有引力、ケプラーの法則
2.電磁気 導体棒、電磁誘導、重力
3.熱力学 分子運動論、断熱変化、ジュール熱

 

2016
問題 出題分野
1.力学 モーメント、円運動、摩擦
2.電磁気 交流の発生、ブリッジ、コイル、コンデンサ
3.波動 マイケルソンモーリー、単振動

分野的には力学と電磁気は必ず出ます。

残りは基本的には熱力学と波動の分野がメインとして出題されますが、2020の入試ではガッツリ原子分野も出題されました。量子力学的の典型問題を高校生でも理解できるように作った感じで、良い問題だったので今後重要問題集などにも掲載されるのではないかと思います。

難易度はそれほど高くないですが、誘導はそれほど細かい所まであるわけではないので、そのあたりは少し慣れが必要かなと思います。

ほとんどの方にとって試験時間はかなり短いと思うので、典型的な問題形式がどれだけ頭に入っているかで大きく差が出ます。慶應理工の物理は暗記がものを言うという感じです。

記事を読んだ段階で間に合わないかもと思った方

この記事を読んだ段階でもう既に間に合わないかもと思った方もいらっしゃると思います。

例えば、部活を夏までやっていて、受験について意識したのがそれ以降とか。。。

私も実はそのタイプで浪人を経験しました。

手始めに考えるべきことは次のような内容です。

  • 本当に間に合わないのか?間に合わないと判断する基準は?
  • 勉強法で見直すべき所はないか?
  • 削るとしたら、どこを削るべき?

間に合わないかどうかの判断の基準

まず、間に合わないといっても「独学で間に合わない」のか「塾や家庭教師などの手を借りても間に合わない」のかで大きく異なってきます。

独学で間に合わないかどうか判断する基準は夏休み前までに基本レベル(セミナーとか基礎問題精講とか)のものがあらかた解けるようになっているかどうかです。

いくら科目数が国公立と比べて少ないからと言っても独学だと夏休みで挽回するのは厳しいですね。夏休みを通して1日も休まず14時間ずつくらい毎日勉強できるというのであれば一人でも挽回可能ですが、よほどのことがない限り難しいです。

次に考えるべきなのは人を雇って間に合うかどうかですが、これは実際に教えてくれる人の判断が最優先されるべきです。

ですが、上述の条件をクリアできないと判明したのが、夏休み中だと、それなりにお金を払って各科目、効率的に対策しないと間に合わない可能性が高いです。

というか、それだけ気づくのが遅いタイプの人の典型的なパターンは気づいた時点で人を頼っても現役合格は厳しいというパターンです。

慶應大を目指している受験生がこの記事を見るのが少しでも早ければいいなと本気で思います。

というわけで、クリアできなさそうだなと思った段階ですぐに塾や家庭教師に相談をしに行ってください。

この記事をザっと読んでいただいて、その後、実際に自分が単位時間あたりにどれくらい勉強が進んでいるのか計れば、すぐに間に合うかどうか計算できるので、賢い受験生はそれくらいのことはしていると思って、すぐにタイムトライアルをしてみてください。

ちなみに、ここで挙げた条件をクリアしている受験生はかなり少ないと思います。

これは当たり前のことでして、最初は慶應大を第一志望にしていた受験生のほとんどが早々に脱落し、そして受験をすると残った受験生もかなりの割合で不合格になるわけですから、ここで書かれていることが特殊なこととは思わないでください。

間に合わないと分かっていても挑戦したいという方は、浪人なり滑り止めの大学に通うなりの覚悟を決めて対策をしてください。

勉強法を見直して、削るべき所を削れば少しだけでも可能性を上げることはできるかもしれません。

勉強法で見直すべき所

勉強法で見直すべき所はここまでを真面目に読んでいただいた方ならいくつか発見があったかもしれません。

問題集や過去問の量とペースなんかを意識せずに勉強しているとまず間違いなく受験に失敗します

そしてそれだけでなく集中力や、類題の重要性、そして問題演習の重要性も意識して勉強すると大きく成果が変わってきます。

このあたりをかなり詳しく書いた記事がこちら↓です。

これを読むだけでもほとんどの受験生の成績が1割は変わると思っています。冗談ではなくそれくらい変わります。

それくらい私が実際に受験指導をするときに意識的に伝えていることが自宅学習の勉強法です。

 

この節では勉強量について最後に一言だけ申し上げておきます。

まず、「質の良い勉強法」というのも大事ですし、「遠回りしない」というルート選びも大事ですが、「勉強量」も単純に大事です。

経験上、浪人を経験する受験生のほとんどが勉強量が足りていません。

多少ルートを間違えようが、勉強の質が悪かろうが、毎日14時間、365日休まずに勉強できるのであれば、かなりの確率で志望校に合格します。

受験生として、最低でも(学校を含めて)12時間は毎日勉強できるようになっておいてください。

※もちろん先天的に厳しい方はいらっしゃると思いますので、そういった方は長期プランで受験を考えてください。

削るとしたらどこ?

色々見直してみたけど、どうしても間に合わないという方に向けて削るとしたら、どこを削るかという提案をしてみます。

大前提として、「勉強時間」「勉強法」を見直してから、さらに「お金」で解決できるかどうかも見直してから、の話になっていると思っておいてください。

  1. ◎は諦めて〇でもOKにする
  2. 過去問演習の数を減らす
  3. 熱力学、波動、原子の分野の勉強量を減らす

まずは上述の4種類の印のうち◎と〇の差程度は諦めるということです。

少なくとも〇であれば、凡ミスと自分が許せる範囲内ということですから、大きく解答から外れているわけではありません。

もちろん凡ミスが異様に多い生徒さんは一定の割合でいらっしゃるので、不安な点は残るわけですが、そもそも削らなければいけない状況を考えて、諦めることにしましょう。

また、「凡ミスという判断が人によって違う」ということも鋭く指摘される方がいらっしゃいますが、これも正直なところ、その判断が甘い時点で、かなり合格の可能性は低いわけですし、物理に関して言えば、「凡ミス」の定義にそれほど多様性はありませんので、気にしなくていいかなという所です。

 

次に過去問演習の数を減らしましょう。

とはいえ、最低でも赤本や青本に載っている年度数分は全教科とも時間を計ってチャレンジしておくのが無難ですから、限度はあります。

慶應理工の物理で6割を取るくらいならそれほど難易度は高くないですから、重問や名問が完璧に出来ていればその段階で6割くらいは解けます。

※ただし、この「完璧」ができる受験生はほとんどいないのが現実です。

ですので、問題集の取り組みが丁寧なら過去問演習の数を減らしても大きな問題は生じません。

 

そして最後に、頻出分野以外の熱力学、波動、原子分野の勉強量を減らすということです。

正直あまりおすすめはしませんが、一応力学と電磁気だけでも完璧に出来れば7割近く得点できるわけですから、この作戦もなしではありません。

受験後には必ず勉強してほしいですし、この作戦を取って失敗した場合にも私は責任を負いません。

おわりに

かなり長くなりましたが、これだけ書けば少なくとも検索エンジンの上位に入っている記事の中では最も詳しいという自信はあります。

私は物理が専門ですから、物理についてまとめてみましたが、使う教材を変えれば、数学と化学に関してはほとんど同じ内容が当てはまると思います。

※実際に受験生の指導をするときにはほとんど同じようにペースメイキングします。

読んでくださった皆さんが受験で成功なさることを期待しています。

それではまた、所長でした!

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