ども、ぽこラボ所長です!
今回は英語の勉強法について。
英語の勉強法については、色んなところに記事が転がっていると思いますが、全体感をパッと見て把握できるものは実は少ないのではないかと思います。
この記事では高校受験、大学受験が専門のプロ塾講師が中学レベルから大学受験レベルまでの英語の勉強法について、図解も含めて解説していきます。
高校生はもちろん、これから勉強をやり直す社会人の方にも役に立つ記事になっているはずなので、ぜひ参考にしてください!
この記事の内容は以下の通り。
- 英語学習全体の流れ
- 各要素ごとのおすすめ参考書
それぞれ解説していきます!
目次
英語学習全体の流れ
まずは、こちらの図をご覧ください。

英語の勉強の流れはこちらの図の通りです。
基本的には、単語・熟語などの語彙の学習と、英文法の学習から始まり、最終的に大学入試では過去問まで勉強を進めていく流れになります。
各要素ごとにそれぞれ簡単にコメントしていきます。
英単語・英熟語などの語彙学習
まず勉強の最初期から必要になるのが、英単語・英熟語などの語彙の勉強になります。
中学レベルが怪しい人は中学レベルから始める必要がありますし、中学レベルは問題ないという人は、高校レベルから始めることになります。
語彙の学習は、大学受験の最後までずっと付きまといますし、何なら大学受験レベルを超えても、英語の勉強をする限りは語彙の学習をし続けることになります。
語学の学習は語彙力がかなり物を言うので、絶対にサボることは出来ません。
英文法のインプット
続いて単語の学習に続いて、初期の段階から始めていきたいのが英文法のインプットの学習です。
基本的には以下の3種類の学習方法があります。
- 学校や塾での対面授業
- 映像授業
- 講義系参考書
学校や塾での対面授業では、「新単元解説」という位置づけで毎週1単元(あるいは2週に1単元)程度、板書やプリント中心で進めていく形になります。
映像授業は例えば、スタディサプリやTryITなどの有料・無料のオンライン授業を受けつつ、独学で進める形。
多くの場合は授業形式で、目からも耳からも学習するのがおすすめです。
授業形式だと、自分の好きなペースで「のんびり進めてしまう」危険性を減らせます。
最後に講義系参考書は、授業ではなく、参考書を使って独学で勉強していくスタイル。
人の話を聞くよりも読んで理解する方が得意な人も一定数いるので、授業よりもこちらの方が良い人はこちらをおすすめします。
ただし参考書を使った学習だと「のんびり進めてしまう」危険性は常にあるので、注意が必要です。
英文法のアウトプット
英文法は授業を受けたり、講義系参考書を読んだくらいでは身に付きません。
インプットが終わったら、問題集でアウトプットする必要があります。
映像授業や、講義系参考書と近い形で並んでいて、受験レベルと比べると易しい問題集から始めて、2冊目として受験レベルの問題集に取り組むのがおすすめです。
おすすめの参考書はこの記事の後半で紹介しますね!
英文解釈
文法の学習がある程度片付いたら次は英文解釈の勉強です。
英文解釈は、英文1文1文の構造を把握するための勉強。
どれが主語S(主語句、主語節)で、どれが動詞V(動詞句)で、どれが目的語O(目的句、目的節)で、、、
といった文の要素を発見して、どの語・句・節が、どの語・句・節に係っているのかを正しく判断するための勉強です。
これが出来ていないと、どれがどれに係っているのか分からないまま、経験と勘に頼って、英文読解の勉強をすることになってしまい、
読解力を成長させるのに、大量のインプットを必要としてしまいます。
インプットに時間をかけたくなければ、ちょっと遠回りに見えても英文解釈の勉強が必要になるでしょう。
例文暗記
続いて、例文暗記です。
例文暗記は英作文が出題されるような大学を受験する受験生しか勉強法として取り入れない方が多いと思いますが、基本的には全員やることをお勧めします。
例文暗記を行うことで「前から英語の順に読む」ことの練習になります。
例えば、
This is a pen.
くらいの超簡単な英語であれば、日本語を介すことなく読めるし、理解できるはずですが、長い文章になってくると辛くなりますよね。
日本語を介さず理解できる英文を増やすための練習と思って例文暗記はやってもらいたいと思います。
大学受験に向けて全然時間がない人は文法問題集の問題になっていたものを、復習も兼ねて暗記すればOKですし、
時間に余裕がある場合には、新たにそれ用の参考書を使ってもいいでしょう。
もちろん受験で英作文が出る大学を受けるのであれば、その英作文がどんな出題形式であろうと必ず例文暗記の学習は通っておくべきです。
長文読解300~500語
次に長文読解です。
英文解釈の勉強が終わったら、長文の読解も進めていきましょう。
300語くらいの長文が並んだ参考書が1番易しいレベルとして市販されていることが多いので、そこから始めて500語くらいの長文まで読めるようになっておくといいでしょう。
ここまで練習できれば、共通テストや、偏差値50(河合模試の偏差値)くらいであれば、過去問演習に入れるレベルです。
そのレベルで満足できるのであれば、それ以上の長さのものは練習する必要はありません。
長文読解500~700語
500語くらいから700語くらいまで長文が読めるようになってくると、大体どんな長さの長文も気合で読めるようになってきます。
市販のものも700語くらいから1000語くらいが長文問題集としては最高難易度になっていることがほとんどです。
それ以上の長さのものは参考書よりは、過去問だったり、その他一般の英語記事や書籍だったりで学習する方が効率的になってきます。
和文英訳
和文英訳は、和文英訳が出題される大学を受けるときだけ真面目に取り組めばOKです。
出題される問題は短いものから長いものまで、かなり幅がありますが、基本的に日本語1文程度を英訳する問題であれば、例文暗記の学習と語彙を増やすトレーニングを積んでおけば対応できますので、
あえて、新しく参考書に取り組む必要はありません。
3文以上の日本語を英訳するような問題の場合は、難しいことが多いので、その場合は、練習として1冊参考書を選んで勉強してみるといいでしょう。
自由英作文
自由英作文に関しても出題される大学だけ練習すればOKです。
こちらも50語程度の短いものであれば、例文暗記と語彙学習だけで十分ですが、200語を超えるような作文になってくるとそれなりに練習が必要になってきます。
といっても、日本語の作文が割と得意であれば、参考書をすっ飛ばして、過去問からスタートでも十分うまくいく人もいます。
逆に日本語であろうと作文が得意ではないという人は、参考書を1冊決めて練習しておくことがお勧めです。
リスニング
リスニングに関しては、共通テストや英検などでも出題されるので、勉強しなくてはならない人も少しずつ増えてきている印象です。
長文問題集として利用した参考書の音源を真面目に音読したり、文法問題集や、単語帳の例文などでも同じように取り組んでおけば、
本来、共通テストくらいのリスニングであれば、ほとんど苦労することなく満点近い得点を取れるはずです。
ですが、それをしていない人の方が多数派なので、まずはこれまでに使ってきた参考書の音読を丁寧にやることをお勧めします。
その上で、共通テストレベルよりも難しいリスニングが出題される大学を受験する場合には、別途参考書を準備して取り組むといいでしょう。
その他
必要なかったり、短時間で終わったりするという理由で、図解には示してなかったのですが、以下の3つもかなり重要なので、解説しておきます。
- 中学レベルの復習
- 発音記号の勉強
- 特殊な問題形式の練習
中学レベルの復習
まずは中学レベルが怪しい人はこれも復習をする必要があります。
といっても、大学受験を目指すのであれば、中学レベルの文法と語彙の学習だけできていれば十分なので、長文などにガンガン取り組む必要はありません。
発音記号の勉強
発音記号の勉強は短時間で終わる上に、その後の勉強全てに影響を及ぼすのでまず最初に行って欲しいところ。
YouTube上でいくつか動画を見て、真似をしてみるくらいで十分なので、1時間もかかりませんが、その学習がずっと後々まで影響してきます。
特殊な問題形式の練習
大学によっては、以下のようなあまり見かけないタイプの問題が出題されることがあります。
- 要約問題
- 段落整序問題
- 小説の読解問題
- 間違い訂正問題
こういったタイプの問題が出題される大学を受験する場合は、それ用に1冊程度参考書をやっておいた方がいい場合もあります。
とはいえ、この辺りは時間的に余裕がないと練習できないので、過去問だけで済ましてしまう場合も多いです。
どうしても英語で高得点を狙いたい
時間がだいぶあってやることがなくなった
というような状況の時はそれぞれ1冊程度参考書に取り組んでみてもいいでしょう。
各要素ごとのおすすめ参考書
ここまでで英語のロードマップは理解できたはずなので、ここからはおすすめの参考書を紹介していきます。
改めて図を見つつ、参考書を検討してみてください。

最初から全ての参考書を用意する必要はありませんので、図の順で勉強できるように少しずつ準備していきましょう。
この図には入っていない
- 発音記号
- 中学レベル
の2つを先に解説して、そこからは図に沿って紹介していきます!
発音記号
上述したように発音記号の学習は早い段階から行っておくべきです。
実際、
ほとんど英語はできない
ずいぶん昔のことで忘れている
というような人でも発音記号の勉強はできますので、まずはここから始めましょう。
おすすめの動画はこちら。
これをとりあえず2回見て、自分でもマネして練習しておけば、それで十分です。
これだけで全てを覚えることは不可能ですが、そもそも1回や2回で全て覚える必要は全くありません。
この後の語彙の勉強をする上で、毎回発音記号も確認していけばそれで十分なので、ここで完璧になろうとしないことが重要です。
中学レベルの英語学習をするための参考書
中学レベルに関しては、
- 文法の学習
- 語彙の学習
ができていればOKです。
大学受験以降のこともふまえて手頃に済ませようと思うのであれば、文法の学習はスタディサプリ1択です。
とはいえ、問題も解かないと授業で習ったことが頭に残らないので、おすすめの問題集もこちらに載せておきます。
映像授業はどうしても先生が合わないというのであれば、少し重いかもしれないですが、こちらの参考書で勉強してもいいでしょう。
語彙に関しては、こちらの参考書の中から1つ選んで使えばOKです。
正直、どれを選んでもOKなので、お好きなものを選んで使ってみてください。
英単語・英熟語などの語彙学習におすすめの参考書
続いて、高校レベルの語彙学習におすすめの参考書です。
最初の段階では、こちらの中から選ぶのがおすすめです。
熟語に関してはこちら。
データベース4500だと単語と熟語が両方とも入っていますが、ターゲットやシス単を2冊やるのと別に量自体は変わりません。
こちらを一通り終えて、まだもっと難しいのを勉強する余裕がある時は
などにチャレンジしてもいいですが、あまりここまで余裕がある人は見かけたことはありません。
英文法のインプット
英文法のインプットは学校の授業でも全然OKです。
ちゃんとテスト勉強をしてきた人であれば、改めて勉強せずとも、アウトプットから始めれば十分です。
インプットから始める人はこちらもやはりスタディサプリが1番手軽でテンポよく勉強できると思います。
あるいはTryITもおすすめです。
もしこれが合わないということであれば、講義系の参考書を通読するスタイルでも構いません。
例えば、
などを使って前から順に読み進める形でもいいでしょう。
英文法のアウトプット
インプットが終わったら、必ずアウトプットの学習をする必要があります。
アウトプットの学習は基本的に2段階に分けて考えるのがおすすめです。
1つが英文法のインプットを定着させるための段階。
もう1つが、大学受験レベルの問題を解くための準備段階。
まず1つ目の定着フェーズでは、以下のような参考書を利用して、問題を解き進めるのがおすすめです。
1冊選んで取り組めばOKです。
それぞれシリーズもので何冊かあるのですが、とりあえず最初の1冊だけで大丈夫でしょう。
ここまでが終わったら、英文解釈の勉強は2段階目のフェーズを勉強しながらでもやっていくことができます。
2段階目のフェーズに関しては、以下のような参考書を利用して勉強するのがおすすめです。
学校でこれらのうち1冊を指定されていることが多いと思いますが、どれを使っても大差はないので、1つに決めて何周か回せばそれで十分でしょう。
英文解釈
文法のアウトプットが1周程度進めば、英文解釈も並行して勉強し始めるのがおすすめです。
物凄く簡単な1冊、中程度の1冊くらいが出来れば問題ありません。
例えば次のようなものをまずは1冊目として検討してみてください。
次に2冊目として検討してほしいのはこちら。
これ以上は必要ない方が多いですが、和訳の難しいものが出題される大学を受ける場合にはこちらも勉強しておくといいでしょう。
ただし多くの場合は、ここまでやるくらいならサッサと長文や、過去問演習に移った方がテストの得点自体は高くなります。
例文暗記
例文暗記は上述のように全員に取り組んでほしい学習です。
英作文が特に必要ない人と、英作文まで見越してやる人では使う教材の重さは変えた方がいいでしょう。
軽いものだけでも構わないという人は新しく教材に取り組まずに上述の文法のアウトプットに使う教材の問題文を暗唱していくのがおすすめです。
それぞれ音源がダウンロードできるので、音源をくり返し聞きつつ、自分でもシャドーイングしていけば、かなり頭に入れることができます。
もし英作文まで見越して例文暗記をするのであれば、こちらの教材を使うのがおすすめです。
受験生の場合は、余裕がないと1冊程度しか扱えないとは思いますが、それで十分なので、ぜひ集中して取り組んでみましょう。
長文読解
長文読解は300語、500語、700語程度の3つに分けて教材を紹介しますが、必要なレベルによって、教材の量は使い分ける必要があります。
500語程度で十分であれば、300語程度の易しいものを1冊、500語程度のものを1冊。
700語や1000語を超えるような長文が入試に出る場合には、それに合わせて700語程度の長文問題集には取り組んでおいた方がいいでしょう。
それぞれ次のような参考書がおすすめです。
300語程度はこちら↓
500語程度はこちら↓
700語程度はこちら↓
和文英訳
和文英訳に関しては、短いものが出題される場合には上述のように、例文暗記と語彙学習、それに合わせて過去問演習で十分です。
長いものが課される場合には、次のような参考書がおすすめです。
最後の参考書はかなり分量も多いですが、正直、かなりインプットしないと和文英訳はまともなものを書けるようにはならないので、必死にインプットしまくってください。
最初のうちは、上手く書くよりも、とにかく模範解答を暗記していくことに集中したほうが効率的に点数アップにつながるはずです。
自由英作文
自由英作文も時間がなければ過去問演習がメインの学習になるはずです。
とはいえ、苦手な人は参考書を使って基本をインプットしておく方が効率的なこともあるので、その場合には以下の参考書がおすすめです。
こちらも何冊もやる必要はなく、1冊やったら後は過去問で何度もくり返し練習していくのが得点には直結します。
リスニング
リスニングも共通テストのみでいいのであれば、参考書を準備して練習する必要はありません。
例文暗記や長文読解に利用した参考書に付属している音源を聞きつつ、何度も繰り返し音読すればそれで十分でしょう。
あとは過去問演習だけすれば、共通テストレベルのリスニングは確実に出来るようになります。
続いて、個別試験で難易度の高いものが出題される場合ですが、それは別途参考書も準備して勉強しておくのがおすすめです。
以下のような参考書を利用するのがいいでしょう。
難しいものに関して言えば、準一級やTOEFLなどと同等のレベルになってくるので、過去問演習の前にしっかり準備をしておかないと正直手も足も出ないと思います。
逆に言えば、準備さえすれば満点を狙えるのでしっかり勉強をしてほしいところです。
特殊な問題
最後に以下の特殊な出題形式の問題のおすすめ教材を紹介していきます!
- 要約問題
- 段落整序問題
- 小説の読解問題
- 間違い訂正問題
いずれも参考書を1冊やるほどの余裕がない大学受験生が多いので、過去問だけでどうにか対応する人の方が多いという前提でご覧ください。
要約問題
要約問題に関してはこちらの参考書がおすすめです。
1冊だけでも出来れば十分でしょう。
段落整序問題
段落整序問題に関しては、正直いい参考書はないので、リーディング力を徹底的に鍛えるのが一番です。
東大向けとしては、こちら。
しいて言うなら、以下の参考書が文脈に沿って読んでいくリーディング力を鍛えるのには適しているので、ぜひ参考にしてみてください。
小説の読解問題
小説問題は小説らしい言い回しが頻発して、慣れていないと読みにくい人も多いでしょう。
センター試験の第5問あたりから始めて、東大用の参考書を利用すれば、かなり出来るようになるはずです。
間違い訂正問題
間違い訂正問題は慣れればそれほど難しくはないのですが、慣れないと絶望的にできないので、これは多少時間がなくても1冊取り組む価値はあります。
というのも1冊やりきるのにそこまで苦労しないからですね。
例えば、次のような参考書がおすすめです。
まとめ
今回は大学受験のための英語の勉強の流れを図解して解説しました!
改めてこちらの表を見ながら復習してみてください!

それではまた、所長でした!