ども、ぽこラボ所長です!
今回は慈恵の医学部医学科の対策について。
個別指導歴15年の私が5時間以上かけて、過去問などを分析し、自分が今受験するならどうやって勉強するかをまとめました。
その結果をどうせなら、他の受験生にもシェアしようと思います。
この記事を読めば、具体的な参考書名やその使い方、勉強のスケジュールなど、合格に必要な内容は全てわかります。
あとは、必死に勉強してこなし切るだけの状態になりますから参考にしてくださいね!
目次
慈恵医学部医学科に合格するための目標得点を過去の入試から検討

どの大学を目指すにせよ、まずは合格最低点の確認と、合格最低点を超えるために各科目で何点ずつを取っていくかのチェックが必要です。
合格最低点の推移
慈恵医学部医学科の合格最低点は次のように推移しています。
- 2024:48.9%
- 2023:49.5%
- 2022:51.8%
- 2021:50.5%
- 2020:49.5%
ご覧の通り、だいたい例年50%取れるかどうかが合否のラインになっていますね。
余裕を持って合格を勝ち取りたいなら過去問演習では55%~60%あたりを目標に演習を進めると良いでしょう。
科目別の配点と目標得点
慈恵医学部医学科の配点は次のとおりです。
英語100点
数学100点
理科200点
+
面接30点
小論文25点
調査書25点
1次試験の合計得点が400点なので、60%となると240点あたりが目標になるということです。
ちなみに、2次試験の面接、小論文と調査書の得点も明記してくれているのはありがたいですね。明記していない大学も多いので。
2次試験では、ほとんど差がつかないとはいえ、10点~20点くらいはひっくり返されてもおかしくないと思っておきましょう。
1次で60%取っておけば、2次試験の結果がよほどひどくない限りはひっくり返されないはずです。
各科目の難易度も考慮した目標点数は次のとおりです。
- 英語:55点~60点(55%~60%)
- 数学:50点~60点(50%~60%)
- 理科:130点~140点(65%~70%)
理科の配点が高いので、理科は少しでも高得点を狙いたいですね。
難易度的にはどの科目も大差はないんですけど、受験までに必要な勉強時間だけ見ると、理科が最も易しいはず。
数学は英語と比べるとあたり外れが大きい科目なので、最低でも50%を切らないように。
英語はスピードと語彙力がつけば、60%以上も目指せる科目ですが、現役生にとっては、60%あたりが目指すギリギリのラインになるでしょう
慈恵医学部医学科の過去問分析を科目別に紹介!

それでは、次に過去問を分析すると分かる各科目の特徴を確認していきましょう。
慈恵医学部医学科の英語の特徴
英語は大問3題構成。試験時間は60分です。
大問1と大問2は長文読解の問題。
穴埋めと内容一致系の選択問題が基本ですね。
大問3も長文読解で、フレーズの穴埋めと、最後に自由英作文問題があります。
自由英作文では、文章に関係あるテーマについての自分の意見を書くという一般的な出題ですね。
長文の長さとしては、すべて600語以上で、長いものは800語あります。
選択肢の吟味はちょっとめんどくさいものが多いですし、試験は60分しかないからスピード勝負ですね。
18分、18分、24分くらいのイメージで進めて、ギリギリ終わるかどうかくらいの感じでしょう。
作文は論理的に書けていれば、長さは問わないようですが、最低でも100語、長ければ200語くらいにはなるはず。
これくらいの長さの英文を10分くらいで書けるようになりたいですね。
- 3題長文読解、1題自由英作文
- 語注がないので語彙力必要
- 選択肢吟味に時間がかかるので、読解スピードが重要
- 大問1:18分、大問2:18分、大問3:24分
慈恵医学部医学科の数学の特徴
数学は大問4題構成。ガッツリ記述で試験時間は90分です。
微積、場合の数確率、空間図形が頻出で、4問中2問くらいは数3Cの範囲になっています。
ものすごく難しいかと言われるとそうでもないけど、現役生にとっては完答が難しい問題が多いですね。
2問は完答、その他で少しずつ得点を取って、60%以上を目指したい
そこから減点が入っても、50%くらいには収まるかと
ただし、解ける問題もダラダラ悩んでいると、90分はあっという間に過ぎ去るので、
解ける所はサクッと解いて減点されない記述をサクッと書けるように練習必須
1問20分くらいを目安にして、それ以上かかる場合は一旦パスして、最後に余った時間で戻ってきましょう
- 大問4問、うち3問はガッツリ記述
- 微分・積分、場合の数・確率、空間図形が頻出
- 90分しかないのでダラダラ悩んでいるとタイムオーバーになる
- まずは1問20分ペースで素早く50%以上を確保
慈恵医学部医学科の化学の特徴
慈恵の化学は大問3問構成。
理科は2科目で120分なので、60分±5分~10分程度、化学に使うことができます。
1問は理論、1問は有機だと考えておいて問題ないと思いますが、2023の入試から大問が減ったので、どのテーマが出やすいみたいなことは少し言いにくいのが正直な所です。
慈恵くらいの難易度の問題を出題する大学だと、基本的に無機を単分野で出題することはほとんどないので、無機は出るとしても理論や有機と融合問題だと思っておくのが無難です。
また、有機分野では、教科書や問題集では見かけないテーマが特に出やすいと思っておいてください。
見たことない内容も含めてすべて解ききるには、ちょっと時間的に厳しいので、正直、化学を全問題解き切れる人はいないでしょう。
とはいえ、見たことない内容でも文章を読めば解けるようにはなっているので、読み飛ばすことなく丁寧に読んでいき、読み終わったらすぐに手が動く状態がベストです。
悩んでいる暇はないので、手が止まったら次々に先の問題に進む必要がありますね
- 大問3つ
- 60分±5分〜10分
- 見たことないテーマの問題が頻出
- 丁寧に読んでサクッと解く
- 手が止まったらすぐに次の問題文を読む
慈恵医学部医学科の物理の特徴
慈恵の物理は大問2問構成。
分量はそんなに多くないので、生物・化学よりは、時間的には割と余裕があると感じる人が多いでしょう。
24年度からは問題用紙の表紙にわざわざ次のような注意書きが入るようになりました。
物理の記述問題では、記述内容の深さや脈絡の豊かさに加えて、それを筋道立てて他者に伝える姿勢を重視する。
ようはちゃんと「採点官が読んで理解できる」ように記述を書けよ、ということですね。
問題傾向も最近少し変わってきています。
以前までは、一般的な問題集では見かけない日常生活に根付いた問題が出題されていましたが、ここ最近は、問題集で見かける中で最も難しいくらいの内容が出題されていますね。
ただし、今後もその方針になるかはわからないので要注意です。
一番怖いのは、大問が2問しかないということは苦手単元をまるまる落とすとそれだけで物理の点数は半分消えるということ。
さすがに物理が50%を切ると合格は難しいですからね。
そして原子分野でも出題があるので注意しましょう。大問2問中、1問が原子だと詰む人も多いと思います。
- 大問2問構成
- 生物化学と比べると時間的には易しめ
- 記述についてわざわざ注意が記載されている
- 問題集で見かける中で最も難しいくらいの問題
- 苦手分野があると危険
慈恵医学部医学科の生物の特徴
※生物は自分の指導対象外の科目なので、リサーチしたことをベースに書いていることをご承知おきください。
慈恵医の生物は大問4問構成。記述式になっています。
計算問題は数問あって、論述問題は大問ごとに数題ずつある形式です。
生物も試験時間としては、60分±5分〜10分くらいでしょう。
こちらも化学と同様に時間が厳しいので、見たことない実験問題でも手早く問題の流れを汲み取って、手早く解答をまとめる練習が必要になります。
そして手薄になりがちな「生態と環境」「生物の進化と分類」からも出るので油断できません。
- 大問4つ、記述式
- 計算問題は数問、論述は大問ごとに数題
- 60分±5分〜10分
- 見たことない実験を手早く読み取る練習が必要
慈恵医学部医学科の小論文の特徴
慈恵医の小論文は、課題文を読んで、自分でテーマ設定し、意見を書く問題になっています。
字数としては、1200字~1800字です。
「自分でテーマを設定する所」が若干特殊な形式なので、練習が必須ですね。
どんな内容を書くかを自分で決めるのが意外と難しいですし、1200字以上書くとなるとまずは時間内に書き切る能力が必要となります。
まずは書き切る練習をしてください
テーマ設定が思いつかない人、自分の意見が思いつかない人は生成AIなども積極的に利用しましょう。
みたいにAIに聞いたら一般的な知識はインプットすることができます。
小論文の配点は大きくないので、まずは読むに耐える無難な文章を書けるようになるのが大事です。
- 1200字以上の長めの論文
- 課題文を読んで自分でテーマ設定し、意見を書く
- 長めの文章を書ききる練習を
- 思いつかないなら生成AIなどを用いて練習も
慈恵医学部医学科の面接の特徴
慈恵医は小論文だけでなく、面接もやや癖の強い形式です。
MMI方式(Multiple Mini Interview)という複数回の短い面接をくりかえしていきます。
時間は各回7分で、回数は6回となります。
うち1回は普通の面接で、志望動機などを聞かれるみたいですね。
残りの5回は課題が与えられてそれに答える形式です。
例えば、
- 救急搬送されてきた末期がんの患者に人工呼吸器をつけ救命を行ったが、後で患者から延命治療を望んでいなかったと告げられた。この患者にどう対応するか
- 都道府県別食事時間と年齢別食事時間のグラフを見て、グラフから分かることを推論を含めて論理的に説明する。また、どのように推論を証明するか、今後はグラフがどう変化するかを述べる
- 警備員がいない小さな病院で、患者が果物ナイフを持って暴れている。医師であるあなたはどうするか
など、正解のない課題に対して、自分の意見を聞かれることが多いみたいです。
配点は大きくないので、練習して無難にこなせるようになれば十分ですが、練習しないとパッと答えられない課題が出されることも多いはずです。
ある程度、倫理的に、論理的に、自分の意見を答えられることが大事でしょう。
また、このMMI形式の練習だけでなく、ふつうの志望理由なども答えられるように準備してください。
- 7分×6回のMMI方式。うち1回は普通の面接
- 課題が与えられてそれに短時間で答え続ける
- 配点は大きくないので、無難にこなせれば十分だが練習必須
- 志望理由など普通の質問の準備もしっかり
慈恵医学部医学科に合格するためのおすすめ参考書を全科目解説!

それでは続いて、慈恵医学部に合格するためにやるべき参考書を全科目解説していきます。
予備校や塾で教わっている方も多いと思いますが、部分的に独学でやっている人も多いと思うので、自分で勉強している科目だけでも参考にしてもらえればOKです。
英語おすすめ参考書と学習スケジュール
英語を独学でやるのであれば、最も参考書の数としては多くなります。
それぞれ軽く説明してからスケジュールの説明をします。
単語:ターゲット1900、医歯薬系入試によくでる英単語600
まず単語は、大学受験用の単語帳であれば正直なんだっていいです。
何も持ってないなら「ターゲット1900」をおすすめしますが、「システム英単語」だろうが、なんだろうがOKですね。
ただし、個人的には「速読英単語」はあまりおすすめはしません。
と勘違いする人を生んじゃうからですね。
その程度では全然足りてません。
医学部系の単語は「絶対必要というわけではありません」が、もし「ターゲット」などの一般的な単語帳を全部覚えきって時間的に余裕がある場合は、「医歯薬系入試によくでる英単語600」などをやってもいいですね。
とはいえ、単語帳の暗記に使う時間があるなら、1つでも長文を多く読んで、そこに出ている単語を全部覚える方が得点には繋がるのは間違いないので、医学部系の単語帳は無理してまで取り組む必要はありません。

文法:入門英文法問題精講、Scramble
文法が分からないと、その他の勉強が何もできないので、最低限の勉強は必要です。
「入門英文法問題精講」は学校の授業後すぐに解けるくらいの易しいレベルの問題集。
学校のテキストや予備校のテキストがあるのであれば、それを使って、自力で全部解けるようにするのでも構いません。
「スクランブル英文法・語法」は4択系の問題集。こちらはどちらかというと、基本事項の暗記のために何周も解くものですね。
「NextStage」「Vintage」「アップグレード」などを持っているのであれば、それでもOKです。
何を使っても大差はありません。
こういう4択系の問題集は読んでるだけの人も多いですけど、ちゃんと解くのがコツです。

英文解釈:基本文法から学ぶ英語リーディング教本、基礎英文解釈の技術100
英文解釈はSVOCだったり、○○句、○○節だったりをちゃんと自力で説明できるようにするための訓練です。
最近は「基本文法から学ぶ英語リーディング教本」がちょっとぶ厚いけど、おすすめです。
用語をしっかり理解できると思います。
しっかり理解できたら「基礎英文解釈の技術100」みたいな少し骨のある参考書で実践的に和訳の訓練をするのがいいでしょう。
「英文熟考」などでも構いません。
予備校とか塾とかで授業を受けてる人も多いかもしれませんが、初見の文章を自力で解釈できるようになるための練習は絶対に必要なので、覚えておきましょう。
難しいものもけっこう売ってるんですけど、ある程度、演習を積んだら、やはり長文の演習を1回でも多く積むことが高得点を取るためのコツです。

長文読解:基礎英語長文問題精講、英語長文ポラリス2、英語長文ポラリス3
長文読解は300語くらいのものから始めて、徐々に長いものにもチャレンジしていきましょう。
「基礎英語長文問題精講」は、そこそこ短い文章からそこそこ長い文章まで、1冊でかなりたくさん収録されているのでおすすめです。
「英語長文ポラリス2」は長めの演習としておすすめ。解説も分かりやすいですね。同シリーズの「英語長文ポラリス3」もやってみてもいいでしょう。

解説された文章を音読したりするのも有効ですが、ちゃんと実力を伸ばしたいなら初見の文章をガンガン読む訓練も必須です。
学校・塾・予備校の授業を受けるだけで満足しないようにしましょう。
英作文:英作文ナビ、英作文のトレーニング自由英作文編
英作文は、「英作文ナビ」のようなたくさん英文が載っている参考書で、例文暗唱をしていきましょう。

自由英作文については、「英作文のトレーニング自由英作文編」がおすすめです。
作文はできれば添削をしてもらうようにしましょう。
だいぶ慣れないと、自力で間違いに気づくことができないですから、過去問20回分くらいの文量は添削してもらうイメージで勉強をすすめるのがおすすめです。

スケジュール
次にスケジュールについて。
ここでは理想のスケジュールを解説しますが、そこから遅れている場合は基本的に勉強量でカバーするつもりで勉強してください。
単語、文法、解釈はできるだけ高2のうちに全て終わらせましょう。
基礎が入ってなければ、模試でも点が取れないですし、解説を読んでも理解できない部分が残ってしまうからですね。
遅くとも高3のGWには解釈まで終わらせて、そこから先は長文と作文の勉強に全集中です。
そして10月頃からは過去問を始められるとベストですね。
同じレベルの大学や、滑り止めもいくつか受ける人が多いはずなので、10月頃には始めないと十分な演習をできないまま入試に突入してしまいます。

数学おすすめ参考書と学習スケジュール
理系科目は英語と比べれば必要な参考書は多くありません。
数学のおすすめ参考書は以下の通りです。
基本的には「青チャート」と「上級問題精講」ができれば問題はありません。
高校の授業が遅ければ、独学あるいは塾などで予習が必要になるかもしれません。
独学でやる場合は「スタディサプリ」などを使うのがおすすめです。

ちなみに「青チャート」の代わりに、「フォーカスゴールド」や「赤チャート」、「ニューアクションレジェンド」などを使うのもOKです。
このあたりはどれを使っても大差ありません。
「黄チャート」は若干、慶應レベルを目指すには易しすぎる気もしますが、ギリギリ許容範囲といった所です。
この他、「1対1対応の演習」や「標準問題精講」などを利用しても構いませんが、問題数が少ない分、易し目の問題は収録されていないことに注意してください。
計算力に自信がない人や、数学が苦手な人は分厚くても青チャートをやった方がいいです。

「青チャート」などで標準的な問題が解けるようになったら、発展的な問題集で演習です。
おすすめは「上級問題精講」ですが、これ以外にも
などを選んでも大体同じレベルまでは到達できます。
これ以上の問題集もありますが、そこまでやってる暇がある人は少数派だと思います。
ここまでやり切って、過去問を併願校まで含めて10年分満点を取れる状態を目指してから、次の参考書を考えるので十分です。

青チャートのような網羅系問題集は、高3のGWあたりまで、数3も含めて全ての例題を自力で解ける状態にしましょう。
発展的な問題集は9月末までに仕上げるのを目標にして、10月から過去問演習に入れればかなり良いペースです。

物理おすすめ参考書と学習スケジュール
次は物理について。
物理のおすすめ参考書は以下の通りです。
まずは「セミナー物理」のような学校で配られる分厚い問題集を全問題解ける状態にしましょう。
発展問題、総合問題まで解けるようにすれば、慶應医学部は難しくても、もう少し低いレベルの大学までなら医学部でも対応できます。
セミナー以外にも「リードα」「センサー」「アクセス」「ニューグローバル」など400問〜600問くらい載ってるものであれば、なんでもかまいません。
学校で1冊指定されていることが多いのではないでしょうか。持っていなければ、「エクセル」を使うといいでしょう。

それが終わったら次は「重要問題集」です。
こちらも学校で指定されるパターンが多いと思います。
「重要問題集」のB問題まで解けるようになれば、過去問でも半分以上は解けるようになるはずです。
あとは過去問演習だけでも十分ですが、余裕があれば、「名問の森」もやっておくとより安心できるかと思います。
「難問題の系統とその解き方」というレベルの高い問題集もありますが、ここまで全部できる人は現役生にはほとんどいませんし、これをやるくらいなら先に過去問を入手できるだけ全て満点を取れる状態にする方がおすすめです。

スケジュールとしては、セミナーレベルを夏休み前くらいまでに卒業して、重要問題集レベルを夏休み〜9月を使ってやり切るイメージで進めましょう。
学校の授業が遅いなら物理も「スタディサプリ」などで予習が必要になることもあります。

10月頃から過去問演習に入れれば順調です。

化学おすすめ参考書と学習スケジュール
化学のおすすめ参考書は以下の通りです。
基本的には物理と同じく「セミナー」レベル、「重要問題集」レベルができれば十分です。
「セミナー」の代わりに「リードα」「センサー」「アクセス」「ニューグローバル」など400問〜600問くらい載ってるものであれば、なんでもかまいません。
学校で配られている場合が多いと思いますので、まずはそれを発展問題や総合問題まで全て解けるようにしてください。
持っていなければ「エクセル」を使ってください。

次に「重要問題集」です。
こちらも学校で使う場合が多いはずです。
化学の場合は、物理や生物よりも若干「重要問題集」が易しいので、余力があれば「化学の新演習」の★3(難易度の高い問題)を解いておくのもおすすめです。

セミナーレベルを夏休みまでに終わらせて、重要問題集レベルを9月末までに終わらせられれば順調です。
学校の授業スピードが遅い場合は、「スタディサプリ」などを使って独学で予習が必要になることもありますね。

過去問は10月から入れると良いペースです。

生物おすすめ参考書と学習スケジュール
生物のおすすめ問題集はこちらです。
- セミナー生物
- 重要問題集
まずは「セミナー」からですね。
基本的には化学と同じで、「リードα」「センサー」「アクセス」「ニューグローバル」などの学校で指定されている問題集をまずは攻略しましょう。
生物は化学、物理と比べると暗記事項も多いので、用語の穴埋めをするだけの問題もちゃんとこなしておきたいですね。
持っていなければ「エクセル」を使ってください。

終わったら「重要問題集」です。
「重要問題集」までやり切ったら、あとは過去問をやるのがおすすめです。
難易度の高い問題ばかり集めている問題集が割とないので、過去問を解きながら練習するのが1番ですね。

セミナーレベルを夏休み前まで、重要問題集を9末までに終わらせるのも同じ。
10月に過去問演習に入れるとかなり順調なペースです。

過去問演習のスケジュール
ここまでに説明してきた通り、過去問は10月からスタートできれば最高です。
現役生は実際にはもう少し遅めのスタートになる科目も出てくると思います。
浪人生の場合は逆にもっと前倒しになることもありますが、前倒しになる分にはいくらでも前倒ししてしまっても構いません。
第1志望は10年以上は満点を取れる状態を目指してください。
第2志望以下も5年以上は演習しておきたいところですね。
理科や数学は過去問演習をしないと身につかない思考力がありますし、英語のスピード感も過去問を使わないとなかなか身につきません。
ある程度の量は必要だと思っておきましょう。

小論文おすすめ参考書と学習スケジュール
小論文は、医学部系の小論文の参考書を1冊こなせば十分です。
慈恵医科はちょっと面倒な小論文なので、参考書をやるなら夏休みにまとめて勉強しておくのがおすすめです。
例えば、次のような参考書を使うのがいいでしょう。
過去問形式は、1次試験が終わってから集中して取り組むのでも大丈夫です。
ただし、一般的な600字くらいの小論文は夏休みくらいの段階で書ききれるようになっておいてください。
面接対策おすすめ参考書と学習スケジュール
上述したように面接で大きな差がつくことはないと思って構いませんが、準備無しで挑むとひどいやり取りをしてしまう人も多いと思います。ちゃんと準備しましょう。
とりあえずこちらを一通り読んで、自分なりに面接の準備をしてください。
可能であれば、学校や塾の先生と模擬面接を何度か繰り返して、フィードバックをもらっておくのをおすすめします。
特に慈恵医科大のMMI方式は慣れが肝心なので、慣れるまで練習させてもらえるのが一番です。
受験すべき模試

次に受験すべき模試について、まとめておきます。
受験するのがおすすめなのは、次の3種類ですね。
- 駿台全国模試(記述):6月初旬、9月下旬あたり
- 河合全統記述模試:5月初旬、8月下旬、10月初旬あたり
- メディカルラボ私立医学部模試:6月、9~10月あたり
基本的に駿台と河合の記述の模試は全部受けるといいでしょう。
医学部受験をする人なら全員受けてます。
※駿台のベネッセと共同で実施している記述模試は簡単なので、受ける必要はありません。
医学部系の模試としては、メディカルラボの模試が河合塾グループが運営しているので、おすすめです。
他の医学部模試もありますが、現役生は少なくともこれ以上受けるのは現実的ではないと思います。
進研模試あたりを必須で受けなければならない人も多いですからね。
模試を受けるだけ受けて、復習しないというのはさらに不合格を引き寄せる勉強法なので、そちらも注意してくださいね。

浪人した場合の学習方針とスケジュール

慈恵医科大レベルになると浪人する人もそこそこいて、年によっても違いますが、大体40%〜50%ほどは浪人生です。
そこで、浪人した場合の学習方針とスケジュールも見ていきましょう。
模試でB判定以上の場合
浪人の前年度に、模試でB判定以上の成績を取れているのであれば、基本的には過去問演習をメインに、苦手科目だけ参考書を使う形でも十分合格できます。
予備校を使う場合
予備校を利用する場合は、授業を真面目に受けすぎないように注意してください。
知っている部分の説明をしているときは自習して、知らない部分の解説をしているときだけ集中して授業を聞くようなスイッチングをするのが重要です。
授業とは別に、3月から週1以上で過去問を解き続けて、10月ごろには10年分以上は満点を取れる状態を目指しましょう。
苦手単元は参考書や授業を使って勉強し、夏休み前くらいの時期にはすべて処理しきっているのが理想です。
滑り止め校や、似たレベル(慶應医、順天堂、日本医科)の大学の過去問も10年分以上、満点を取れる状態に仕上げれば、まず間違いなくどこかには引っかかります。
時間を計ってちゃんと解き、しっかり復習することをくり返していけば、自然と点数は上がっていきます。

予備校の授業では、苦手単元や科目を集中してフォローしていき、苦手がなくなった段階で、合格最低点を超えることも難しくなくなっていくでしょう。
- 3月から週1以上で過去問
- 夏休み前には苦手単元をすべて処理
- 最終的に滑り止め、近いレベルの大学の過去問を10年以上
予備校以外の選択肢の場合
B判定以上が出ているのであれば、得意科目は独学でも勉強可能です。
予備校以外の選択肢としては、
- 個別指導塾や家庭教師で苦手科目の指導をしてもらう
- 学習管理系の塾や家庭教師に全体の勉強方針を調整してもらう
などがおすすめです。
苦手科目だけ個別指導塾や家庭教師に教わって、その他の科目は、過去問演習メインで進めるのでも十分力はつきます。
独学が不安な場合は、塾や家庭教師に「学習管理」を依頼するのも良いでしょう。
毎週の勉強計画や、年間の勉強計画を作ってくれる塾や家庭教師も増えているので、定期的に面談をしつつ、勉強内容や勉強方法が間違っていないかチェックしながら進めれば、安心して勉強することも可能です。
こちらもスケジュールとしては、3月から週1以上で過去問を解き続けて、10月ごろには10年分以上は満点を取れる状態を目指すのがいいですね。
苦手単元は、参考書や授業を使って勉強して、夏休み前くらいの時期にはすべて処理しきっているのが理想です。
A判定が出ていて、勉強がものすごく好きな方なら、宅浪でも成功することはありますが、それでも週に1回くらいは学習管理系の面談を入れるのがおすすめです。
どうしても素人とプロでは、受験勉強の計画に対する精密さが全然違いますからね。
- 3月から週1以上で過去問
- 夏休み前には苦手単元をすべて処理
- 最終的に滑り止め、近いレベルの大学の過去問を10年以上
模試でC判定以下の場合
次は模試でC判定以下の場合について。
C判定以下の場合は、まだまだ実力不足の科目の方が多いはず。
科目指導の授業も活用しつつ、勉強するのが良いでしょう。
予備校を使う場合
予備校を使う場合は、大筋カリキュラム通りに進めれば問題はないはずです。
ただし、現役生より学習進度が遅いのはさすがに問題なので、10月には過去問演習には入りたいですね。
予備校を活用する場合は、スケジュール感よりも、勉強の方針について、注意してほしい点が3点あります。
- 予習・復習はバランスを見つつ万全に
- 模試の復習は手を抜かない
- 授業関連の問題だけでは演習不足
授業の予習・復習は科目のバランスを見つつ、万全にやっていきましょう。
英語が重いからと言って、英語ばかり予習復習をしていると、科目のバランスが崩壊して合格から遠ざかります。
授業の予習・復習だけしっかりやってればいいかというと、そうでもなくて、模試の復習だったり、参考書での追加の演習も必要です。
授業だけしっかりやって失敗する人もいるので、こちらの記事も参考にしてもらえればと思います。

- 予備校のペースに合わせればOK
- 10月には過去問演習に入る
予備校以外の選択肢の場合
C判定以下の場合も、予備校ではなく個別指導塾や家庭教師で浪人するのも可能です。
本当に大きく成績を伸ばさないといけないのであれば、むしろ、個別指導を活用するのがおすすめです。
集団授業だと、「分かっている」~「分かっていない」の濃淡を授業につけることができません。
個別指導であれば、「分かってないけど、この部分までは分かってる」とか「完全に分かってない」とか、「分かってない」の中にもグラデーションをつけて解説することも可能なので、そりゃ伸びるのが速いのは当たり前です。
個別指導の場合は、5月末くらいまでに、基本的な内容を終わらせたいですね。
英語なら単語・文法・解釈、数学ならチャート、理科ならセミナーのレベルは5月末で卒業、6月~8月くらいまでで、過去問以外の参考書はすべて片づけて、9月以降は過去問演習に全振りくらいのイメージで勉強するのがおすすめです。
- 5月末までに各科目の基礎
- 6月~8月で発展的な参考書
- 9月以降は過去問演習
医学部受験に失敗する人の共通点

慈恵を目指している方の多くは、やる気はあって、ある程度は勉強するはずなので、「モチベの維持に困る」とか「勉強時間が少なすぎる」とか、そういった失敗はあまり多くはないはずです。
そこで、これまでの指導経験上、勉強はそこそこしてるけど、失敗する人の共通点についても簡単に触れておきます。
- 暗記ばかりしてる
- 手を動かす時間が短い
- 新しい問題に触れる頻度が少ない
※もちろん「受験勉強のスタートが遅かった」みたいなパターンはありますが、それはどうしようもないのでここでは省きます。
暗記ばかりしてる
まず最初は暗記ばかりしているパターンですね。
もちろん、単語帳に載っているものはすべて覚えた方が良いですし、化学や生物の資料集に載っていることもすべて覚えるに越したことはありません。
ですが、暗記に使っている時間が長くなればなるほど、合格からは遠ざかってしまいます。
できれば、問題演習をメインに進めて「解いているうちに自然と覚えられた」状態を目指してもらうのがいいかなと思います。
というのも、暗記って100%じゃなくても、問題の流れから思い出せたり、問題の流れから推測できたり、あるいはそもそも細かい所は出題頻度が低かったりするわけですから、合格最低点まではたどり着けるものなんです。
1%から90%まで行くところまでは、知識を詰め込む勉強も大事ですけど、90%から100%はけっこう時間の無駄になっていることも多いものです。
手を動かす時間が短い
次は手を動かす時間が短いパターンですね。
1番問題なのは「解けない問題の解説を読んで理解した」状態で終わっているパターン。
特に理系科目は、解説を読んで理解したのであれば、「解説を閉じて解き直す」癖をつけましょう。
何周しても自力で解けるようにならない人も同じですね。
解説を「理解する」のと、問題を「自力で解ける」のは別物です。
理解したものを再現できるかの確認は必ず入れるようにしてください。
新しい問題に触れる頻度が少ない
最後は新しい問題に触れる頻度が少ないパターン。
授業は真面目に聞いて、復習までしっかりやっていたとしても、自力で初見の問題に触れる時間が短いと、模試や入試では点を取れません。
授業で1回聞いた問題を、自力で解けるのはもちろん大事なことですが、それは当たり前中の当たり前のこと。
そんなのは当たり前のこととして当然やって、さらに初見の問題も解けるようにならないといけないんです。
できるだけたくさん初見の問題に触れて、その問題を徹底的に復習しつくす勉強をしましょう。
その他、よくある失敗例はこちらのページにもまとまっていますので、参考に。

最後は勉強時間がものをいう!最後まで必死に勉強やり切って合格を掴みとろう!

この記事では、独学でも慈恵医学部に受かるくらい丁寧に受験勉強の方針について解説しました。
この記事に書かれていることを参考にして勉強すれば、少なくとも合格するために必要な学力を身につけることは可能です。
ただし、ここで書かれたことをやり切るためには、必死に勉強時間を確保しないと難しい場合の方が多いと思います。
最低でも毎日10時間。可能なら12時間でも14時間でも(体調を崩さない程度に)勉強してもらえると嬉しいです。
これまで約15年塾講師をしていますが、受験は結局、勉強量がものをいう世界です。
応援しています!
もし、家庭教師に興味があれば、私も例年数名ずつ指導をしています。
人数を絞っているので、興味がある人はこちらの詳細ページを早めにご覧ください。
慈恵医学部に合格するために私にできることはなんでもサポートします。